投資初心者向けのおすすめ資産運用|初心者向け証券会社5選も紹介

投資初心者は何から始めればいいの?

どの証券会社を選べばよいの?

初めての投資や証券口座の開設にあたっては、上記のような不安・悩みが出てくることもあるでしょう。

そこで今回は、編集部で選んだ投資初心者向けのおすすめ投資方法に加え、証券会社を5個ピックアップしました。紹介する証券会社をおすすめできる理由や、実際の評判についても紹介します。

投資初心者におすすめの資産運用の選び方

株の取引や不動産投資から定期預金まで、さまざまな金融商品や制度を用いて自分の手元にあるお金・資産を増やすことを「資産運用」と呼びます。資産運用にはさまざまな種類があり、初心者が気軽に始められるものから、よく考えないと大損のリスクがあるものまで豊富です。

そこでまずは、初心者が資産運用を始めるにあたってどのように選べばよいのか、基準を解説します。選ぶ基準は大きく分けて次の3つです。

商品を選ぶ基準
  • リスクとリターンで選ぶ
  • 運用期間で選ぶ
  • 取引コストで選ぶ

各基準ごとにおすすめの資産運用方法も3つずつ紹介します。各資産運用方法の特徴については後ほどさらに詳しく解説するので、ひとまず名前だけ頭の中に入れておくとよいでしょう。

リスクやリターンで選ぶ

初心者はまずリスクが低い商品やサービスを選びましょう。投資は基本的にローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターンです。

リスクが低い商品は得られる利益も少ない傾向ですが、初心者はまずリスクの低い商品で投資の感覚をつかみましょう。リスクの高い商品は慣れてから狙っていくのがおすすめです。

なお、どうしても初心者のうちからハイリスク・ハイリターンな運用をしてみたい場合は、証券会社が提供する資産運用サービス「ロボアドバイザー」を利用するとAIが自動的に運用してくれるので、初心者だけで運用するより低リスクで投資できます。

商品・サービス名 特徴
ロボアドバイザー ・運用をAIに任せられるため、知識がなくてもプロレベルの運用が可能
・リスクが段階制で自由に選べるため、ローリスク・ローリターンからハイリスク・ハイリターンまで対応する
iDeCo ・私的年金制度の1つで、60歳以降になると掛け金に応じた額を年金として受け取れる
・「元本確保型」なら元本保証があるため、お金を損失する心配がない
ポイント投資 ポイントで株や投資信託などを購入できるため、仮に失敗しても現金を失わずに済む

運用期間で選ぶ

投資には短期的な運用に向いている商品と、10年以上の長期に渡って運用するのに向いている商品があります。短期で手軽に結果を出したいのか、長期間じっくり時間をかけて安定した資産を築きたいのかによってもどれを選ぶかが変わります。

初心者におすすめなのは長期運用前提の商品です。しかし、気が短い方や投資を長く続けていけるかわからない方は、ポイント投資と組み合わせて株取引から始めてみるとリスクを抑えながら短期運用できるのでおすすめです。

商品・サービス名 特徴
国内株 デイトレード(1日の値動きに合わせて売買して差益を得る)による短期運用と、配当金や株主優待による利益を中心にする長期運用の両方に対応する
投資信託・つみたてNISA 10年・20年の長期運用が前提の商品
・複利効果で長期運用するほど利益が大きくなる
IPO株 ・抽選式で、証券会社によっては初心者でも購入権利を得やすい
新規公開株を公開前に購入し、値上がり益を狙うシンプルな仕組みで短期運用の練習にもおすすめ

取引コストで選ぶ

取引のコストにも注目しましょう。たとえば株取引では取引の際に売買手数料(買付手数料・約定手数料)がかかります。外国株は外貨で取引するため、為替手数料も必要です。

また、「つみたてNISA」は銘柄の買付は0円でできますが、「信託報酬」と呼ばれる運営者に支払う報酬が発生します。このように、投資の取引ではなんらかのコストが発生するのが一般的です。

できるだけコストを抑えるためにも、手数料の低い証券会社や商品を探しましょう。また、「ポイント投資」ではポイントを利用することから手数料をとらないケースもあります。

商品・サービス名 特徴
ポイント投資 ・楽天ポイントやdポイントなど、証券会社が対応する各社のポイントを現金の代わりに利用して投資ができる
売買手数料のポイント支払いに対応している証券会社なら、現金の支出を抑えられる
・全額ポイント支払いの場合は手数料が0円になることもある
つみたてNISA 銘柄の買付手数料はどの証券会社でも0円
・信託報酬が各銘柄によって異なるため、信託報酬の低い銘柄を選ぶことがコストを抑えるためには重要
・一定額までの投資なら利益は非課税になる
定期預金 入金・出金以外に手数料が一切発生しない

投資初心者向けのおすすめ証券会社5選

投資を始めたいなら、まず証券口座の開設が必要です。証券口座の開設は無料でできますが、証券会社自体の数が多いため、どの証券会社を利用すればよいのか悩んでしまうことも少なくありません。

投資初心者の場合、証券会社はおもに次の観点から選びましょう。

証券会社を選ぶポイント
  • 投資したい金融商品・サービスがあるか
  • 取引手数料が安いか
  • 初心者向けのサポートがあるか

証券会社によって取り扱う商品が変わるため、まず自分の取引したい銘柄があるか確認しましょう。たとえば、楽天証券は大手ネット証券のため、ほとんどのものに対応していますが、単元未満株の取引には対応していません。また、LINE証券はスマホで取引できて便利ですが、ロボアドバイザーは未導入です。

このように細かくサービスに違いがあるため、よく比較して選びましょう。

また、「米国株取引手数料無料」「最初の2ヶ月間の取引手数料をキャッシュバック」などのキャンペーンやシステムを導入している証券会社であれば、コストを抑えられるためその分利益を多く受け取れます。もし、スマホや取引ツールの操作に不安があるなら、サポートを受けられる証券会社を選ぶと安心です。

では、実際におすすめの証券会社を5社、厳選してご紹介します。

【早見表】初心者におすすめの証券会社比較一覧

商品画像 SBI証券 楽天証券 マネックス証券 松井証券
商品名 SBI証券 楽天証券 マネックス証券 松井証券
取扱内容 ・ロボアドバイザー
・単元未満株
・NISA
・つみたてNISA
・iDeCo
・ロボアドバイザー
・NISA
・つみたてNISA
・iDeCo
・ロボアドバイザー
・単元未満株
・NISA
・つみたてNISA
・iDeCo
・ロボアドバイザー
・NISA
・つみたてNISA
・iDeCo
クレジットカード ・三井住友カード
・タカシマヤカード
・東急カード
楽天カード マネックスカード MATSUI SECURITIES CARD
対応ポイント ・dポイント
・Tポイント
・Pontaポイント
・Vポイント
楽天ポイント マネックスポイント 松井証券ポイント
口座開設日数 最短1営業日 最短1営業日 最短1営業日 最短1営業日
詳細

取り扱い商品・サービスが豊富な証券会社

証券会社名 特徴 詳細
SBI証券 ・国内・外国株式・投資信託やIPO株
・債券などあらゆる取引が可能
・投資信託の本数がネット証券中でもトップクラスの2,657本
・外国株が全9ヶ国に対応
マネックス証券 米国株の取り扱い銘柄数がネット証券中でもトップクラスの5,000銘柄超
楽天証券 ・投資信託の本数がネット証券中でもトップクラスの2,651本
・米国株やバイナリーオプションにもポイント投資可能
・つみたてNISAの銘柄も豊富

取り扱い商品やサービスが豊富で、「これ1つさえあればなんでもできる」ようなメインの証券会社を探しているなら、SBI証券・楽天証券・マネックス証券がおすすめです。いずれもネット証券の中ではトップクラスの証券会社で、株取引や投資信託、NISA、IPOなどあらゆる投資ができます。

たとえばSBI証券は外国株の取り扱いが豊富です。米国株しか扱っていない証券会社も多い中、SBI証券は全9ヶ国の外国株を取り扱っています。特に韓国株はSBI証券がネット証券の中で唯一対応しているので、韓国株に興味があるならSBI証券一択です。

楽天証券もSBI証券同様に取り扱い銘柄が豊富で、中でも特にポイント投資の選択肢の多さが魅力です。国内株や投資信託にしかポイントを利用できない証券会社が多いですが、楽天証券では米国株やバイナリーオプションにも楽天ポイントを利用できます。

ただし、楽天証券は他の2社と違ってミニ株の取り扱いがないので、単元未満株を取引したいなら他の2社をおすすめします。

マネックス証券は「米国株といえばマネックス」といわれるほど米国株取引で人気の証券会社です。ただし、米国株以外の外国株にはやや弱いため、米国株を中心に取引するならマネックス、それ以外の国の株を取引するならSBI証券と使い分けるのがよいでしょう。

取引手数料が安い証券会社

証券会社名 特徴 申し込みボタン
SBI証券 ・定額コースなら1日100万円まで取引手数料が無料
・1日200万円以上の取引における手数料が楽天証券より安い
松井証券 ・1日50万円までの国内株式取引手数料は無料
・25歳以下は金額に関わらず手数料無料
マネックス証券 ・外国株の買付時、為替手数料無料
・手数料引き下げにより国内株現物取引もSBI証券や楽天証券と同水準に移行

取引手数料が安い証券会社を探しているなら、SBI証券、マネックス証券、松井証券がおすすめです。どの証券会社も取引手数料の安さで定評があります。

SBI証券はもともと取引手数料がネット証券の最安水準です。

楽天証券も取引手数料の安さで知られますが、定額コース200万円以上の手数料はSBI証券が1,238円、楽天証券が2,200円と大きく変わってきます。松井証券は1日50万円までの取引なら何回でも手数料が無料になる仕組みです。

SBI証券や楽天証券は100万円まで無料なので、50万円以上の取引をするかしないかが選ぶ基準になるでしょう。

また、松井証券では25歳以下の方なら手数料が優遇されるので、200万円以上の国内株現物取引も無料で利用できるのが強みです。マネックス証券は米国株取引の際、買付時の為替手数料が無料なのが他社にはなかなかない特徴。米国株の為替手数料はコスト増の大きな原因なので、為替手数料が抑えられるだけで取引の効率が変わってきます。

関連記事:手数料が安いおすすめネット証券会社ランキング10選!ユーザー満足度の高さでも比較

投資初心者でも取引の操作がわかりやすい証券会社

証券会社名 特徴 申し込みボタン
楽天証券 ・初心者にも使いやすく、かつ高機能と評判の取引ツール「マーケットスピード」シリーズを用意
・スマホ向けのロボアドバイザーや診断ツールがあり初心者でも投資方針を決めやすい
松井証券 ・取引の操作がわからない場合、電話やリモートでオペレーターにサポートしてもらえる
・100年の実績がある老舗の証券会社なので全体的に情報が充実している
・株や信用取引、デイトレードなどやりたいことに応じたアプリが個別に用意されている

投資初心者でも直感的に操作できる証券会社や、いざというときサポートを受けられる証券会社を探しているならLINE証券、楽天証券、松井証券の3社がおすすめです。

LINE証券はなんといっても、普段スマホに入れているLINEアプリでそのまま投資ができるのが魅力です。余計な取引アプリを入れる必要がないのでスマホの中もすっきりします。使い慣れたユーザーインターフェースで操作できるので、初めての投資でも直感的な操作が可能です。

支払いはLINE Payが利用できるので、もともとLINE Payのユーザーであればあらたに銀行口座を連携させたり、クレジットカードを登録したりする手間が省けます。

一方、取引ツールがわかりやすい証券会社といえば楽天証券と松井証券です。楽天証券は「マーケットスピード」シリーズという独自の取引ツールを提供しています。画面の切り替え操作がスムーズなので情報の比較にモニタを複数並べなくてもよく、ボタンもわかりやすい位置に配置されているため使いやすいです。

また、松井証券はアプリ自体が非常に数多く提供されています。たとえばスマホで株取引するための「株アプリ」、米国株に特化した「米国株アプリ」、投資信託用の「投信アプリ」のほか、アレクサと連携して音声で株価情報や銘柄ランキング、マーケットレポートをチェックできる「株価教えて! by 松井証券」などユニークなサービスもあります。

このほかにもさまざまなツールがあるため、あらゆる情報を分析可能です。

投資初心者におすすめの資産運用方法

ここでは、実際に初心者向けのおすすめな資産運用方法について詳しく解説します。紹介するのは、基本的に証券会社を通じて取引・運用できるものばかりです。気になるものがあったら証券口座を開設し、実際に取引してみましょう。

名称 向いている投資期間 投資額 税金
ポイント投資 1日~長期 少額 NISAで非課税取引可能
単元未満株 1日~長期 少額 NISAで非課税取引可能
IPO株 短期 少額 NISAで非課税取引可能
ロボアドバイザー 長期 少額~高額 NISAで非課税取引可能
NISA 5年間 年間120万円×5年間 非課税
つみたてNISA 20年間 年間40万円×20年間 非課税
iDeCo 最低60歳まで 年間14.4万~81.6万円 掛け金:全額所得控除対象
運用益:非課税
米国株 1日~長期 少額~高額 NISAで非課税取引可能
不動産投資型クラファン 長期 少額~高額 NISAで非課税取引可能
国債 長期 少額~高額 NISA+債券型投資信託で非課税取引可能
定期預金 1~10年 少額~高額 利子に対して課税

ポイント投資

初心者の方の投資練習にはポイント投資がおすすめです。ポイント投資は、文字通りポイントを使った投資のことです。

たとえば楽天ポイントやdポイント、Tポイントなどを現金の代わりに使用して、株や投資信託など実際に現金で投資するのと同じ商品を購入できます。ポイント投資で利益が得た場合も、現金で受け取り可能です。

ポイント投資は手元にある余りのポイントを利用できるので、もし失敗しても現金を失わずに済むのが魅力です。ポイントで投資を実際に体験してみて、流れや仕組みを学んだらあらためて現金を使って投資するとよいでしょう。

証券会社ごとに対応するポイントが決まっている

ポイント投資は証券会社によって対応可否や購入できる商品が異なります。

たとえば楽天証券では楽天ポイントを利用でき、SBI証券はdポイントやTポイントに対応しています。また、ポイント投資に対応した証券会社の多くは国内株や投資信託の買付にポイントを使用できますが、米国株やバイナリーオプションにポイント投資ができるのは楽天証券のみです。

このように各社で異なるため、自分のよく利用するポイントや購入したい商品に合わせて証券会社を選択しましょう。

ミニ株(単元未満株)

ミニ株(単元未満株)は、投資初心者が国内株取引に挑戦してみたい場合に最適なサービスです。

ミニ株は株を1株(もしくは指定金額)から買付できます。通常、国内企業の株は100株単位での取引しかできません。たとえ1株1,000円程度でも実際には10万円もの元手が必要になり、初心者はなかなか手を出しにくいです。

しかし、ミニ株に対応する証券会社なら国内株でも1株単位で購入できます。

SMBC日興証券の「キンカブ」やSBIネオモバイル証券の「S株」など、サービスによっては1株単位ではなく、「1,000円分」「53,000円分」など金額を細かに指定して購入できるものもあります。この場合は「0.5株」「1.3株」などの単位で保有でき、配当金もその株単位に応じて受け取れるのが特徴です。

ミニ株は元手が少なくても国内株の取引がしやすく、初心者にぴったりです。証券会社によっては「単元未満株」「キンカブ」「いちかぶ」「S株」などさまざまな呼ばれ方をしており、買付可能な最低株数や金額なども異なります。各社を比較し、自分に合ったサービスを選びましょう。

IPO株

IPO株とは、「新規公開株」といって新しく証券取引所に上場する株式会社の株のことです。上場前のため市場にはまだ対象の株式会社の株は一切出回っておらず、上場日になると一般の売り出しが開始されます。IPO株取引は、抽選によってこの上場前の株を事前入手し、上場日に初めてつく価格「初値」で売ることで差益を得るものです。

IPO株は事前入手したときの額より初値の方が高くなる可能性が高いため、一般の国内株を取引するよりも利益を出しやすいのが魅力です。また、事前購入して上場日に初値で売るだけのシンプルな仕組みなので初心者でもわかりやすいのもメリットといえます。

IPO株は原則抽選制

IPO株は高確率で利益が出る=狙う人が多いため、購入はどの証券会社でも抽選制となっています。抽選の方式は証券会社によって異なり、おもに次の2種類があります。

抽選方法
  • 証券口座の資産額が多いほど当選確率を上げる
  • 資産額に関係なく誰でも平等の確率で抽選する

初心者におすすめなのは、もちろん後者を採用している証券会社です。平等抽選を採用する証券会社には、たとえばマネックス証券やauカブコム証券、岡三オンラインなどがあります。

また、IPO株は各証券会社によって取り扱い銘柄数や当選実績が異なります。複数の証券口座を所持している場合でも、IPO株の抽選は各証券会社ごとに行なえるので、IPO株取引を中心にするならあらゆる証券会社に口座を開設し、それぞれで抽選に申し込むのも有効です。

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーは、投資・運用に最適化したAIに資産運用を任せられるサービスです。いくつかの質問に答えることで自分に最適な運用方法を提案してもらえたり、また運用そのものを任せることもできます。ロボアドバイザーの運用はプロレベルなので、投資初心者で知識がなく不安な場合、ロボアドバイザーに従って運用を進めた方がスムーズで、リスクも少なくなるでしょう。

ロボアドバイザーのサービスはおもに楽天証券やマネックス証券、松井証券など、各証券会社が独自に提供しています。各サービスによって機能や最低投資金額、NISAやつみたてNISAの対応可否などが異なるのが特徴です。

メインにしている証券口座があれば、その証券会社でロボアドバイザーを導入しているか確認してみましょう。もし対応していなければ、気になるロボアドバイザーのある証券会社を探して、口座開設をするのがおすすめです。

NISA

初心者はまず「NISA(ニーサ)」の口座を開設し、その中で投資信託や株取引などの投資活動を行なうのがおすすめです。NISAは国が定めている投資の非課税口座です。本来投資で得た利益には、20%ほどの税金がかかります。

しかし、NISA口座内で取引した分については一定額・一定期間まで非課税になるため、単純に一般の証券口座で取引するより税金の20%分、利益を多く手に入れられるのが魅力です。

NISA口座で非課税になるのは年120万円まで・最長5年間です。つまり、たとえば毎月10万円ずつ、5年間に渡って株を購入し続けたとします。すると、その購入した株で得た利益はすべて非課税です。NISA口座を利用すれば一定額まで非課税で取引できるので株や投資信託に興味があるなら真っ先に作成すべきです。

ただし、後述する「つみたてNISA」と併用できず、1人1口座までしか開設できない制限があるため、「つみたてNISA」とどちらにすべきかはよく考えて選びましょう。

つみたてNISAとNISAのどちらがおすすめかについては、「一般NISAとつみたてNISAの違いとは?それぞれのおすすめポイントを解説」で解説しているので是非ご覧ください。

ロールオーバーとは
NISA口座内で商品を購入してから5年を経過した場合は「ロールオーバー」といって、新たに作成したNISA口座に、非課税で運用していた資産を利益を含めてまるごと移動させられます。

つまり、5年を過ぎても手続きさえすればまた5年間非課税で所持できます。

ただし、5年を過ぎた資産を1年分ずつ移動させる際にその年の120万円の非課税枠を消費するため、過去に購入した分をロールオーバーさせる場合はその年新たな買付はできません。

つみたてNISA

「つみたてNISA」は、NISAと同様に一定額・一定期間までの投資が非課税になる制度です。NISAとの違いとして、非課税枠は年40万円と少ない代わり、最長20年間まで運用できます。つみたてNISA口座内で運用できる商品は限られており、NISAでは株取引やREIT(不動産投資)、投資信託やIPO株(新規公開株)など多数の商品から選べます。

一方で、つみたてNISAで投資できるのは金融庁が定めた投資信託(上場投資信託を含む)約200本のみです。「つみたて」の名前の通り、つみたてNISAは購入する投資信託の商品(銘柄)と、毎月・毎週など買付頻度をあらかじめ決めておき、一定額を毎月自動で買付しつみたてていくのが基本です。

商品は金融庁が優良な銘柄を厳選しているので失敗のリスクが小さく、投資の知識がない方でも気軽に始められます。

また、自動つみたてされるので、商品や金額・買付頻度さえ決めておけば、あとは20年間ほぼ放置して運用できるのもつみたてNISAならではのメリットです。なお、一般NISA口座でも投資信託の買付やつみたてはできますが、最長5年しか保持できないため長期運用するならつみたてNISAの方が向いています。

関連記事:つみたてNISAの口座開設におすすめの金融機関とは?選び方や特徴を解説

iDeCO

iDeCO(イデコ)」は「個人型確定拠出年金」という、私的年金制度の1つです。年金といえば国民年金・厚生年金がありますが、将来の受給額に不安がある方も多いでしょう。

そこでiDeCo口座を作成し運用しておけば、国民年金・厚生年金に加えて将来もう1種類の年金を受け取れます。iDeCo口座での掛け金と運用利益から年金額が計算され、60歳以降年金として定期的に給付される仕組みです。iDeCoはあくまで年金制度なので、運用した資産・利益は最低60歳まで引き出せません(掛け金は65歳まで支払い可能)。

また、iDeCoで運用できる商品には「元本確保型」の商品が含まれています。「投資はリスクがあり、元本割れで損をする可能性があるから怖い」と思っている方は、元本確保型の商品を選べば損せずに済みます。

iDeCoは自営業の方におすすめ

iDeCoが特におすすめなのは自営業・フリーランスの方です。自営業の方は厚生年金に加入できないために将来の年金受給額がサラリーマンだった方に比べるとかなり少なくなってしまいますが、iDeCoがあればその分を補えます。

さらに、iDeCoの掛け金として毎年入れられる額は職業によって異なり、自営業の方が有利です。サラリーマンや公務員の方が14~27万円程度なのに対して自営業の方は81万6,000円までと圧倒的に多く設定されています。その分将来の年金も多く受け取り可能です。

また、iDeCoの掛け金はすべて毎年控除を受けられるので、住民税・所得税が安くなります。年間80万を掛け金として支払っている場合は80万円が控除されるので、税金面では年収320万円の人と年収400万円の人くらいの差が出ます。

つまり、節税面でも非常に役立つ制度と言えるでしょう。

関連記事:iDeCoの始め方を徹底解説!選び方や開設方法・気になる疑問も解決

米国株

配当金や海外企業への投資に興味がある場合や、少額投資におすすめなのが米国株です。米国株は文字通り米国企業の株で、日本国内の株とはいくつか異なる特徴があります。

米国株の特徴
  • 1株単位で取引できる
  • 株主優待がない
  • 利回りが高い商品が多い
  • 取引に為替手数料や外貨が必要になる

米国株は大企業の株でも1株から購入可能です。たとえばiPhoneやMacで有名なApple社、通販大手のAmazon社、Windowsを生み出したMicrosoft社、自動車メーカーのtesla社は米国株の中でもトップクラスの時価総額を誇りますが、これらの大企業の株も1株から簡単に買付できます。

2022年8月27日時点でapple社の株は1株約163米ドル、日本円で約22,000円です。このように、トップ企業の株でも数万あれば株を購入できてしまいます。

ただし、米国の株なので取引には外貨(ドル)が必要になります。また、日本円から外貨へ両替したり、逆に取引で得た利益を外貨から日本円に戻したりする場合には為替手数料が必要です。証券会社によって手数料は異なります。

中にはDMM 株のように「米国株の取引手数料無料」の証券会社もあるので、米国株取引を中心にしたいなら米国株に強い証券会社を選びましょう。

米国株は配当金重視
米国株は国内株と異なり株主優待がありません。株主優待は日本株特有の制度で、米国を含む海外の株では株主優待ではなく配当金を多めにして株主へ還元するのが一般的です。

そのため、株主優待はありませんが配当金は国内株よりかなり高く、配当回数も年4回など日本株の年1~2回に比べて多くなっています。増配企業が非常に多いので利回りも高いです。

関連記事:【2024年最新】米国株の取引におすすめの証券会社6選を徹底比較!選び方や注意点も解説

不動産投資型クラウドファンディング

不動産投資に興味がある初心者の方には、少ない元手でも運用できる「不動産投資型クラウドファンディング」がおすすめです。

通常、不動産投資というと「一戸建てやマンションを一棟丸ごと購入して居住者を募集し家賃収入を得る」とか、「土地を購入してコインパーキングを作り駐車場代を得る」などをイメージする方も多いのではないでしょうか。

しかし、これらの方法は土地代や建物代として数百万~数億円以上の元手が必要になり、初心者の多くは手を出せません。そこで役立つのが不動産投資型クラウドファンディングです。

不動産投資の専門家がクラウドファンディングとしてお金を集め、そのお金を使ってプロが土地や建物を購入し運用します。購入する不動産も公開されており自由に選べます。投資家でお金を出し合うため、1万円程度の元手から運用可能です。

不動産に詳しくなくても投資ができるのが魅力です。

国債

投資で失敗するのが怖い方や、確実に利益を出したい方におすすめなのが国債です。日本国家が発行する債券を購入すると、年2回利息収入を得られるほか、一定期間後に満期となり元本が返って来ます(償還)。

国債はなんといっても、国が発行するため金融商品として非常に安定しているのが魅力です。企業が倒産・破産して株式が紙切れになってしまうことはよくありますが、国債なら国が破綻することはほぼ考えられないので、安心して購入できます。

また、国債は最低0.05%の金利保証があるので、損をしないのもメリットです。安定性が高い分、株取引に比べると大きなリターンは見込めませんが、とにかく確実に利益を出したい方には最適な商品といえます。

なお、国債は償還前に中途解約することもできますが中途解約すると元本割れするため、どうしても必要でない限り行なわないようにしましょう。

定期預金

一般的な投資のイメージとは異なるかもしれませんが、証券口座ではなく銀行口座の「定期預金」も資産を確実に増やせる手段の1つです。銀行にお金を預けて、普通口座ではなく定期口座に入れることで、1~5年など一定期間引き出せなくなる代わりに普通口座よりも高い利息がつきます。

満期になったとき、利息分も一緒に引き出しや再預け入れが可能です。定期預金は銀行口座さえあれば誰でもすぐにできること、元本割れしないことが最大のメリットといえます。

しかし、デメリットとして現在の状況下では利息が非常に低く、10年単位で預けたとしても資産はほとんど増えません。

銀行の金利と利益の例
  • 一般的な銀行の定期預金金利はわずか0.002%ほどです。ネット銀行をはじめ、一部の銀行では0.1%~0.3%ほどの利息が設定されていることもあります。仮に金利を0.002%とすると、年間100万円預けても受け取れる利子はわずか20円です。0.1%でもわずか1,000円しか増えません。

1970年代の高度経済成長期であれば、定期預金でなんと7%もの金利がついたこともあり、10年預けるだけで資産が倍になるほどでした。しかし、現在ではそのような資産運用はできません。そのため現在は、定期預金ではリターンはほぼ見込めないでしょう。

しかし、確実に資産が増える方法ではあるので、タンス預金をしている方はまず銀行にお金を預けることから始めましょう。

関連記事:定期預金におすすめの銀行ランキング8選 |高金利な銀行や注意点・活用法まで解説

【年代別】投資初心者におすすめの資産運用

おすすめの資産運用方法は、年代によっても変わってきます。年代によって投資に時間やお金をどれだけ使えるのかが変わってくるため、資産運用を始める年齢で戦略を変えていくことが重要です。

そこで、年代別におすすめの資産運用方法を解説します。

10~30代の方のおすすめ投資戦略

10~30代の若い世代が資産運用する場合のポイントは次の3つです。

10~30代の資産運用のポイント
  • 長期運用を前提にする
  • 少額から始める
  • 知識がなくても始められるものを選ぶ

10~30代では初めて投資に挑戦する方も多いでしょう。また、おそらく資産もそれほどない時期です。リスクの少ない状態から確実に1歩1歩投資の知識を身につけていくためにも、最初はポイント投資や少額投資から始めましょう。

また、この年代ならではの資産運用として「長期運用」が前提の商品を今のうちから運用開始していきましょう。

たとえば20年間積立する「つみたてNISA」や、60歳まで引き出せない「iDeCo」がおすすめです。これらは毎年支払える掛け金の額が決まっているため、早く始めれば始めるほどお得になります。

10~30代は将来の資金を貯める時期
10~30代は進学や引越し、結婚・出産、マイホーム購入などにより、支出も多くなる時期です。若いうちから資産運用していくことで、将来の急な出費にも対応しやすくなります。

40~50代の方のおすすめ投資戦略

40~50代は仕事が安定し、給与も増える時期です。老後にはまだ10~20年以上の時間があるので、10~30代よりも多くの資金を用いて長期運用できます。ある程度ハイリスク・ハイリターンな運用も可能です。仮に失敗しても取り返せる時間的余裕がまだあります。

ただし、子供の教育費がかさんだり、老後の資金が気になってきたりするのもこの頃です。不安ならハイリスク・ハイリターンな投資には手を出さず、いかに安定して利益を得られるかを重視し、バランスのよい運用や分散投資を中心に行ないましょう。

60代以降の方のおすすめ投資戦略

60代以降は年金生活が基本となるので、ハイリスク・ハイリターンな投資よりはバランスがよく安定した投資を重視しましょう。タンス預金はつみたてNISAや定期預金などに回し、少しでも金利を得る工夫も必要です。

60代以降は正社員として働けなくなり収入が落ちやすい上、長寿化によりこの先20年、30年とまだまだ長い時間を生きる可能性も大いにあります。

また、60代、70代と年齢を重ねるにつれ、健康を損ねるリスクも上がっていきます。そのため、今後も安定したセカンドライフを送れることを優先して投資の方針を決めることが大切です。

投資で失敗しないコツ

投資初心者はもちろん、すべての投資家にとって一番のリスクは投資に失敗して損をしてしまうことです。損をしたくないあまり、なかなか投資を始められない方も多いでしょう。

そこで、投資でできるだけリスクを低くするために、最低限知っておきたいコツについて解説します。

少額投資から始める

初心者はまず勉強するつもりで、少額投資から始めましょう。投資のルールや利益を出すコツがわからないまま、いきなり何百万円も投入してしまうとリスクがあったときの損失も莫大です。

投資というと大金を動かすイメージもありますが、実際の証券会社の多くは、たとえば投資信託であれば100円、1,000円単位での買付に対応しているところがほとんどです。

また、ポイント投資に対応している場合もあります。少ない元手でも始められるので、まずはほんのお小遣い程度の額から気軽に始めてみて、流れをつかんでから徐々に金額を増やしていきましょう。

分散投資をする

リスクを少なくするために、投資先を分散させましょう。たとえばA社の株を100万円分購入したとします。このとき、もしA社の業績が著しく下がったり、倒産したりした場合は100万円が元本割れもしくはただの紙切れになってしまい、非常にリスクが大きいです。

しかし、このときもし、A社に10万円、B社に10万円というように10社別々の株を10万円ずつ購入していれば、仮にA社が倒産しても残りの9社は無事です。

また、A社の株で損失が出ても他の9社の株価が上がっていれば、損失を補えるかもしれません。このように、投資先をあえて分散させることでリスクを軽減することができます。

自動で分散投資できる商品もある

「分散投資するのが面倒」「どの企業の株を購入すればよいのかわからず、投資先を複数決められない」という方には、投資信託がおすすめです。投資信託では、1つの銘柄を購入しただけで世界中(もしくは特定の国)のあらゆる企業に分散投資できます。

たとえば投資信託の人気銘柄に「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」がありますが、これは全米の企業を代表する全500社の株をまとめて購入するのと同じ内容です。「S&P」という、代表500社の株価指数(株価の値動き)と連動することを目指して運用されるため、全500社の株価が上がれば運用成績も上がり、株価が下がれば運用成績も下がります。

自分で株・債券・投資信託・REITなどさまざまな方面に分散投資するのが面倒な場合は、このように自動で分散投資できる仕組みの商品を購入するのがおすすめです。

長期運用を前提にする

初心者ができるだけ低リスクで利益を増やしていくためには、10年単位の長期運用を前提に投資しましょう。長期運用のメリットは、じっくり時間をかけて運用することで複利効果を見込めることです。

たとえば投資信託の積立であれば、利息分も元本に加えて計算されるので、同じ利率でも長期間に渡るほど利益が大きくなります。仮に年5%の利回りで1月あたり1万円として年間12万円分の銘柄を購入した場合、最初は年12万円×5%=年6,000円の利益が出ます。

さらにその次の年は去年の12万円+今年の12万円+去年の利益6,000円の合計246,000円に対して5%がかかるため、246,000円×5%=12,300円となり、去年より300円ほど利益が増えます。

長期運用では、このように得られる利益が徐々に増えていくため、比較的低リスクでありながら10年、20年単位で見ると大きなリターンを得られます。初心者はできるだけ、最初は長期運用から始めるのが安心です。

損切りするタイミングを決めておく

いざというときのために、損切りするルールを決めておくと慌てなくなります。投資の性質上、安全性の高い商品でもいつも利益が出るとは限りません。

特に短期の運用では運用成績がマイナスになったり元本割れしたりすることも多くあり、焦って売却したり、このまま運用を続けるべきなのか悩むことが多いです。

そこで、「損失が買値の10%を超えたら売却する」「10,000円以上損失が出たら売却する」など損切りのタイミングを具体的に決めておき、必ずそのルールを守って運用しましょう。

決めた上で定期的に資産をチェックしておけば、資産が予想以上に目減りするリスクを低下させられます。

逆指値注文+成行注文のできる証券会社が便利
証券会社の中には、「所持する株が一定額を下回った時点で自動的に、その時一番よい条件で即座に売却する」逆指値注文+成行注文の機能をつけているケースがあります。自動売却してくれるので、しばらく運用状況をチェックできない状況でも損失を最小限に抑えられるのが魅力です。逆指値注文に対応していない証券会社や、逆指値注文に対応していても成行注文ができない証券会社もあるので、興味がある方は口座開設前に確認しましょう。

投資初心者のよくある質問

  • 投資をするにはどうしたらいい? 株取引や投資信託、債券などの投資をするには、まず証券口座を開設しましょう。証券口座は成人であれば基本的に誰でも開設できます。好みの証券会社を選んだら公式サイトから口座の新規開設申し込みをしましょう。申し込み後は軽い審査がありますが、これは反社会勢力ではないか、金融商品取引業者ではないかなどを確認するためのものなので、ほとんどの場合は問題なく通過します。証券口座が開設されたら銀行口座から元手となる資金を入金し、証券会社の用意するツールを使って取引を開始します。
  • 証券口座は1人何口座でも開設できる? NISA・つみたてNISA口座は1人1口座までですが、一般の証券口座は1人で複数の証券会社にそれぞれ開設することも可能です。各証券会社によって得意分野があるため、「外国株取引をするときは取引手数料の安いA社、投資信託をするときは100円からつみたてできるB社」のように使い分ける方も多くいます。証券口座は無料で開設でき、維持費も基本的にかからないため、気になる口座があれば開設するとよいでしょう。ただし、管理運用の手間が増えるデメリットもあります。
  • 初心者が手を出してはいけない商品はありますか? 信用取引やFXはおすすめできません。これらは「レバレッジ」を利用して、元手(証拠金)よりも多いお金を運用できるため、得られる利益が大きいですが、その分損失が出たときのリスクも大きくなります。たとえば50万円しか実際に手元にない状態で、レバレッジ2倍で100万円分の取引をしたとします。もしここで75万円の損失が出た場合、手元の50万円を使い切ってもまだ25万円分の損失が残ってしまいます。この場合、追加で25万円分を支払わなければなりません。このように大きな取引ができる一方で損失が出たときの額も大きくなるため、初心者のうちは手を出さないようにするのがおすすめです。
  • 投資の税金はどうやって計算すればいい? 投資で得た利益や掛け金の控除などは計算が複雑なため、基本的には「特定口座」を開設しましょう。特定口座は税金の計算を自動で行ない、もし利益が出た場合は自動的に税金を徴収してくれます。また、iDeCoのように掛け金が控除される場合は、確定申告や年末調整の際、書類の控除欄にその年支払った掛け金の額(控除額)を記入し、払込証明書を証拠として提出することで税金の控除ができます。
  • 投資でどれくらい利益が出るか予想できる? 積み立て式の投資については、金融庁が「資産運用シミュレーション」を公式サイトで公開しているのでぜひ利用しましょう。利回りがどのくらいの商品を、毎月いくら、何年積み立てるのかを入力するだけで将来どのくらい増えるのかを算出してもらえます。

“参考:金融庁資産運用シミュレーション」”

まとめ

この記事では、編集部で選んだ投資初心者におすすめな投資方法と、証券会社5選を紹介してきました。自分の悩みを解消できるか、予算に合うかなどを考慮し、自分にぴったりな投資方法を選び、対応する証券会社に口座を開設しましょう。

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