がん保険の手続きに必要な告知とは、被保険者の基本情報や健康状態の情報を保険会社に申告することです。「告知についてよくわからない」「告知に該当するとがん保険は入れないのか」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、告知に関する詳細や持病・既往歴がある場合の検討方法について解説します。がん保険をこれから検討しようとしている人は知っておいたほうがよい情報をお伝えしているので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそもがん保険とは?

がん保険とは、がんと診断されたときや、がんの治療をしたときに給付金が受け取れる、名前の通りがんに特化した保険です。よって、がん以外で入院や手術しても受け取れる保障はありません。

がん保険には、以下のような給付金の種類があります。

  • がん診断給付金
  • がん治療給付金
  • がん入院給付金
  • がん通院給付金 など

一括でまとめて給付金を受け取ったり、治療ごとに継続的な給付金を受け取ったりできます。治療費以外にも、長期的な抗がん剤治療や放射線治療によって働けなくなったときの補填としても利用可能です。

がん保険の告知とは?

そもそもがん保険における告知とはなんなのでしょうか。ここでは、告知の詳細や、なぜ告知があるのかについて詳しく紹介します。

告知とは

がん保険に限らず、生命保険に加入する際は原則告知義務があります。被保険者(保障が受けられる人)が申告する情報は以下のとおりです。

  • 基本情報(年齢・身長体重、職業など)
  • 過去から現在までの健康状態や既往歴、通院歴、身体障害の有無など

各保険会社によって、告知の項目が異なります。被保険者には、虚偽の申告はせず、正確に情報を伝える義務があります。

がん保険の告知内容

がん保険はがんに特化した保険です。よって、被保険者のがんに関連した健康状態があるか確認する必要があります。いくつかの質問に「はい」「いいえ」で回答する形式です。

がん保険の告知には、以下のような質問があります。

(告知項目の例)

  • 今までに、がんになったことがあるか
  • 直近3ヶ月で、医師の診察・検査・治療・投薬を受けているか
  • 過去2年以内に健康診断・人間ドックで、要経過観察・要検査・要精密検査などの異常を指摘されているか
  • 過去5年以内に所定の病気(※)で入院・手術、医師の診察・検査・治療・投薬を受けているか

(※)例えば、糖尿病やポリープ、肺気腫、肝機能障害などが対象疾病になります。あくまでも各保険会社によって所定の病気が異なるため、必ず告知書を確認してください。

「はい」に該当しても、加入をあきらめる必要はありません。告知内容や健康状態に応じて検討できる可能性があるため、可能な限り正確に詳しく申告することが大切です。

のちほど「がん保険の告知義務違反をした場合」で解説しますが、故意に告知をしなかったり、嘘の申告をしたりすることはやめましょう。告知義務違反となり不利益を被る可能性があります。

がん保険に告知が必要な理由

がん保険に告知が必要な理由は、加入者の公平性を保つ役割があるからです。健康な人と、がんにかかるリスクが高い人が同じ保険に加入すると、加入者間のバランスが崩れてしまいます。

通常、がん保険の保険料は年齢や性別によって決まりますが、がんのリスクは個人によって異なります。告知がない保険だった場合、すべての人が同じ条件で保険契約を結ぶことになるため、保険会社はリスクをカバーするために高い保険料を設定しなければなりません。

結果、健康な人が適性な保険料で加入できなくなり、不公平が生じるおそれがあります。告知を通じてリスクの有無を確認し、適切な保険契約を結ぶことが重要です。

リスクが高いと判断されれば、保険会社は契約を見送るか、あるいは特定の条件がついた保険契約を提案することになるでしょう。

がん保険の告知義務違反をした場合

以下が告知義務違反の例です。

  • 虚偽の申告をした
  • 故意に告知をおこなわなかった

告知義務違反と判断されると、給付金の支払いはされません。場合によっては保険契約の解除となる場合もあります。毎月払い込んだ保険料が戻ってくることもないため、大きな不利益を被ります。

「告知に該当する病気や通院歴・投薬歴をうっかり忘れていた」ことが告知義務違反とならないように、手続き前には必ず確認することが大切です。加入中の健康保険で通院歴のわかる証明を確認したり、お薬手帳をチェックしたりしてみましょう。

加入後に告知事項を思い出した場合は、保険会社へ連絡すると追加告知ができます。

持病や既往歴があるとがん保険には加入できないのか?

これまでに、がんの診断を受けたことがある場合、がん保険の加入は難しいです。また、がんに進行する可能性のあるポリープ肺気腫糖尿病などの診断があると、がん保険の検討は難しくなります。もしくは、加入できる保険会社が限られるでしょう。

しかし、各保険会社によって、告知内容は異なります。持病や既往歴があっても、一概に加入できないわけではありません。各保険会社の告知を確認してみることで、加入できる可能性のある保険会社が見つけられるケースもあります。

ひとつの保険会社で加入できない、もしくは告知に該当する場合でもあきらめないでください。おすすめは保険の専門家に相談することです。現状の健康状態や過去の既往歴でも加入できる保険会社が見つかるかもしれません。

保険コンパスでは、店舗来店だけでなくオンラインや訪問での無料相談も承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。

がん保険に加入できなかった場合の選択肢

がん保険に加入できなかった場合に検討できる3つの選択肢を紹介します。

引受緩和型がん保険

引受緩和型とは、持病や既往歴がある、または健康状態に不安がある人向けの保険のことです。以前がんになったことがある人でも検討できる可能性もあるため、告知内容を確認し、該当するものがないかチェックしてみてください。

(引受緩和型がん保険の告知例)

  • 現在、肝硬変や悪性新生物・上皮内新生物と医師から診断・疑いがあると指摘がされているか
  • 直近3ヶ月以内に入院・手術・先進医療を医師から勧められているか
  • 直近6ヶ月以内に入院・手術をしたか
  • 5年以内に悪性新生物・上皮内新生物で入院・手術をしているか
  • 過去2年以内に、所定の病気(※)で数ヶ月にわたり診察・検査・治療・投薬をおこなっていたか

(※)所定の病気は、各がん保険に応じて異なるため、告知書内にある一覧を確認してください

引受緩和型のがん保険は一般的ながん保険と比較して、割高な保険料になったり、保障の削減期間があったりすることがデメリットです。

引受緩和型医療保険のがん特約

がんの保障を備える方法の選択肢には、医療保険があります。がんの保障を特約(オプション)として付帯することが可能です。

よって、健康に不安がある人向けの引受緩和型医療保険で、がん特約が検討できないかを確認します。告知項目が保険会社によって異なるため、各社を比較をしてみると検討できる商品が見つかる可能性があります。

ただし、主となる契約が医療保険であるため、がんの保障だけを備えたい、というニーズを叶えることはできません。

無選択型医療保険

告知が必要ないタイプの医療保険です。過去にがんの既往歴がある場合でも検討できる可能性があります。加入手続きの一環に医師の診査がないため、加入しやすいメリットがあります。

ただし、誰でも加入できる保険であるため、引受緩和型のがん保険や医療保険よりもさらに保険料が割高になります。継続可能な保険料かどうか慎重に検討する必要があるでしょう。

また、無選択型がん保険を販売している保険会社はありません。あくまでも医療保険であるため、入院や手術に応じた保障になります。がんに特化した保障内容ではないことにも注意しましょう。

告知以外にがん保険で注意すべき免責期間

保険に加入するとき告知は大変重要なポイントですが、その他にも「免責期間」に気をつけておきましょう。「免責期間」とは、がんの保障がされない一定期間のことで、待機期間や支払猶予期間とも呼ばれます。

がん保険の申込日・告知日・初回保険料払込日の最も遅い日から90日間(3ヶ月間)が免責期間です。ただし、各保険会社によって免責期間のスタートが異なるため、注意してください。

ほとんどのがん保険に免責期間のあるため、加入後すぐにがんになっても保障は受けられません。よって、がん保険の見直しをする場合、もともと入っていたがん保険の解約タイミングは慎重に検討しましょう。

保険料は重複しますが、免責期間が終わるまで2つのがん保険に加入しておくことをおすすめします。万が一免責期間内にがんと診断されてしまうと、保障を受けられるがん保険がないからです。

詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。

がん保険が必要な人の特徴

ここでは、がん保険が必要な人の特徴を3つ紹介します。

がんで働けなくなったときに不安を感じる人

がんは発見されるタイミングやステージによって、治療期間や治療方法が大きく異なります。長期的な治療をすることになった場合、働けなくなり収入がなくなる、もしくは下がる可能性があるでしょう。

よって、収入減における生活費などの経済的な不安がある場合は、がん保険が必要になります。特にフリーランス・自営業の人は、公的な保障が会社員より手薄なので注意が必要です。

がんで働けない期間中に給付金が受け取れれば、経済的な不安を気にすることなく安心して治療に専念できるでしょう。

先進医療などの高額な医療費がかかる治療を受けたい人

がんの治療には、保険が適用されない先進医療自由診療といった方法が存在します。例えば、先進医療に含まれる重粒子線治療を受けると、1回につき約300万円の費用が必要になります。

「先進医療によってがん治療の可能性が高まるかもしれないが、費用の問題で選択できない」という状況を避けるためにがん保険が役立ちます。

先進医療特約や自由診療に対応する特約が設けられている場合があります。これにより、高額な治療費にも対応できるため、高い費用がかかる治療を受けたい方には、がん保険の加入が重要といえるでしょう。

がん保険が不要な人の特徴

がん保険は必ずしも全員が必要な保険ではありません。ここでは、がん保険が不要な人の特徴を2つ紹介します。

公的制度や会社の福利厚生で医療費をカバーできる人

がん治療においては、保険適用内の治療であれば、高額療養費制度の適用を受けることが可能です。年齢や収入に応じて月々の自己負担額に上限が設けられているため、貯蓄で補える可能性があります。

また、会社員の場合は、会社の福利厚生や加入中の健康保険組合の制度によって、さらに医療費の自己負担を減らせる場合があります。がんで働けない期間には傷病手当金の支給があるため、がん保険がなくても貯蓄を活用して医療費をカバーできる場合も考えられるでしょう。

ただし、保険適用外の治療費やその他雑費など、別途費用が発生する可能性もあるため、がんに罹患した場合の費用については、事前にしっかりと計画を立てる必要があります。

貯蓄が十分にある人

十分な貯蓄があれば、がん保険は不要かもしれません。通常、保険は予期しない高額な医療費や収入の減少に対応するためのものです。しかし、貯蓄で医療費や収入減を補える場合、がん保険は必要なくなります。

ただし、貯蓄を使うことで将来使おうとしていたお金や、緊急事態への備えが影響を受けるかもしれません。また、治療にかかる費用だけでなく、家族が受ける影響の想定が必要です。

例えば、専業主婦の妻ががんになったとき、以下のようなポイントで考えてみましょう。

  • 家事育児をおこなうのは誰になるのか
  • 夫がカバーする場合、仕事への影響はどうか
  • 外食費や家政婦を依頼する費用など、医療費以外にかかる費用は発生するか

例のように、純粋な治療費以外にも家計全体でかかる費用も確認しなければいけません。個々の財務状況や将来の計画を考慮し、保険の必要性を検討することが重要です。

がん保険の重要な手続きのひとつである告知は慎重におこなおう

がん保険の加入には告知が必要です。正しく告知がおこなわないと、がんに罹患したときに告知義務違反で給付金が受け取れない可能性があります。

がんの告知項目に該当する既往歴があったり、健康状態に不安がある場合でも、加入をあきらめる必要はありません。各保険会社のがん保険の告知をチェックし、検討できるがん保険を探します。

とはいえ、各社のがん保険の告知を調べるのは時間も労力もかかってしまいます。そこで、保険の専門家に相談し、加入できるがん保険がないか確認してもらいましょう。

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監修者プロフィール

COMPASS TIMES
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