「収入保障保険に加入することでデメリットはあるのか」「収入保障保険とはどのような保険なのか」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。収入保障保険は本当に必要な保障を合理的に準備できる保険です。

この記事では収入保障保険のデメリットとメリットや必要な人の特徴を詳しく解説します。

収入保障保険とは

「収入保障保険」とは死亡または高度障害状態になったしまった際に、毎月の給料のようなイメージで、遺族の生活費や教育費に備えられる保険です。「掛け捨て型」とも呼ばれ、解約返戻金という保険を途中でやめたときに返金されるお金はありません。

また、保険期間が長くなるにつれて、保障される金額が徐々に減っていく「逓減型(ていげんがた)」であるのも特徴の1つです。

収入保障保険の保障範囲が幅広くなっており、けがや病気、介護が必要になったときにも給付金が受け取れるプランが多くなっています。したがって、さまざまな状況での安心を得られるようになっているといえるでしょう。

保険金の受取方法

収入保障保険の「保険金の受取方法」には、以下の3つの選択肢があります。

  • 年金形式で毎月一定額を受け取る
  • 一括で受け取る
  • 年金形式と一括受取を組み合わせて受け取る

まず、1つの方法は「年金のように毎月一定額を受け取る」ことです。これは、保険料の支払い期間が終わるまで、毎月決まった金額を受け取るというものです。例えば、万が一の場合に家族が毎月安定してお金を受け取れるようになります。

次に「一括での受け取り」は、保険金を一度に全部受け取る方法です。ただし、この場合受け取る保険金の総額は、年金形式で受け取る場合よりも少なくなります。

また、これらの方法を組み合わせ、「一部を一括で受け取り、残りを年金形式で毎月受け取る」方法も可能です。これにより、一部の大きな支出に対応し、残りの保険金は安定した収入源として利用できます。

年金支払の最低保証期間

収入保障保険は時間が経つにつれて保障額が減っていく「逓減型」ですが、保障額が減少しても、最低限保証される期間が設定されています。そのため、保険期間が終わる前に保障額がゼロになることはありません。

最低保証期間は、保険会社によって異なります。一般的には、2年、5年、10年などの期間がありますが、期間が長いほど、保険料は高くなる点に注意が必要です。そのため、必要な保障額と期間をよく考えて、自分に合ったプランを選ぶことが大切だといえるでしょう。

収入保障保険のメリット3つ

収入保障保険に加入するメリットは、以下の3つです。

  • 必要保障額に合った保険が準備できる
  • 大きな死亡保障を割安な保険料で準備できる
  • 保険金を計画的に利用できる

それぞれ詳しくみていきましょう。

必要保障額に合った保険が準備できる

収入保障保険の大きなメリットの1つは、時間の経過と共に変わる経済状況に合わせて、必要な保障額が準備できることです。

例えば、住宅ローンや子育てにかかる費用、生活費などは、時間が経つにつれて減少していきます。初めは子育てやローン返済でお金が多く必要ですが、子どもが成長し自立し、ローンも返済を終えると必要な金額は少なくなります。

このように収入保障保険は、多くの保障が必要な時期と保障が少なくても良い時期という状況の変化に対応できる保険だといえるでしょう。

さらにこの特性のおかげで、一度加入すれば、状況の変化に応じて保険を見直す必要がなくなります。収入保障保険はライフステージに合わせた保険を準備できるため、無駄なく、かつ効率的にリスクをカバーできるといえるでしょう。

大きな死亡保障を割安な保険料で準備できる

収入保障保険は大きな死亡保障を割安な保険料で準備できます。

例えば30歳の女性が定期保険と収入保障保険に加入した場合のシミュレーションを見てみましょう。

  • 定期保険

保障額3,000万円/10年更新:保険料月3,480円

  • 収入保障保険

月10万円プラン(30歳4,200万円から保障額がスタート)/65歳満了:保険料月2,510円

収入保障保険の場合、保障額は時間と共に減少していき、上記の条件では毎年120万円ずつ減少しますが、10年後の40歳時点でも保障額は3,000万円となります。一方定期保険は加入後から10年後の更新まで保障額が3,000万円から変わません。

このような点を考慮すると、収入保障保険はより大きな保障をより低い保険料で準備することが可能です。

したがって収入保障保険は、一定の期間のみ大きな保障を準備しておきたいと思う人には大きなメリットだといえるでしょう。

年金形式だと保険金を計画的に利用できる

収入保障保険は、一括のほか、年金形式として毎月の給料のように保険金を受け取れる仕組みがあります。年金形式にしておけば、毎月の生活費や子どもの教育費として使うのに非常に便利です。

例えば、一括受け取りでは、必要以上に使い過ぎてしまい、将来必要なときにお金が足りなくなる可能性があります。

一方で年金形式にしておけば、毎月決まった額の保険金を受け取るので、保険金を計画的に使えるでしょう。

収入保障保険のデメリット4つ

収入保障保険のデメリットは、以下の4つです。

  • 貯蓄性がない
  • 保険金の総額が徐々に減少する
  • 大きな支出の準備には向いていない
  • 年金形式で受け取る場合税金の種類が変わる

それぞれ詳しく解説します。

貯蓄性がない

収入保障保険は「掛け捨て型」の保険です。「掛け捨て型」とは保険期間中に何も起こらなければ、支払った保険料は戻ってきません。解約返戻金や満期保険金もありません。

解約返戻金とは、保険を途中で解約したときに戻ってくるお金を指し、満期保険金は保険期間が終了したときに受け取れるお金のことです。しかし、掛け捨て型の収入保障保険では、これらは受け取れません。

収入保障保険は掛け捨て型で、貯蓄機能がないため、保障を重視する人に向いています。一方貯蓄と保障の両方を求める人には適していないといえるでしょう。保険を選ぶ際は、自分のニーズに合わせて最適な保険を選ぶことが大切です。

保険金の総額が徐々に減少する

収入保障保険では、保険期間が進むにつれて、受け取れる保険金の総額が少なくなっていきます。満期終了時の最低保証はありますが、満期が近づくにつれて保険金が減っていくしくみのため、それだけでは不安を感じる人もいるでしょう。

もし遺された家族にまとまった金額の保険金を残しておきたいと考える人にとっては、デメリットとなる可能性があります。

そこで保険期間が満了に近づくにつれて、保険金額が減ることへの対策として、保険の見直しや追加で定期保険や終身保険への加入を検討するのも1つの方法です。

追加で保険に加入しておけば不安要素のある部分の穴を埋められるので、より安心して未来を見据えることができるでしょう。

大きな支出の準備には向いていない

年金形式の場合、毎月一定額を受け取る保険となるため、子どもの学費の入学資金や結婚資金、葬儀代など、一度に大きな金額が必要になる場面では十分な対応が難しいです。

この場合、必要となる金額は通常の月々の支出よりも多く、収入保障保険だけではカバーできない可能性があります。一括で受け取れるケースもありますが、年金形式よりも少ない額での受け取りとなります。

このようなデメリットは、他の保険との組み合わせによって解決できます。例えば、収入保障保険に加えて定期保険に加入すれば、大きな支出が必要なときに備えることが可能です。定期保険は一度に大きな保険金を受け取れるため、大きな支出に対応する際に役立ちます。

年金形式で受け取る場合税金の種類が変わる

収入保障保険を選ぶ際、保険金受取時の税金を理解しておくことが大切です。収入保障保険は以下のように、毎月年金形式で保険金を受け取る場合に税金の種類や課税対象が変わります。また保険金受取人によっても税金が異なるため、注意が必要です。

契約者被保険者受取人課税される税金の種類
本人本人配偶者相続税※2年目以降に受け取る年金には相続税ではなく、雑所得として「所得税」がかかる。
配偶者本人配偶者所得税
配偶者本人子ども贈与税※2年目以降に受け取る年金には贈与税ではなく、雑所得として「所得税」がかかる。

まず、受け取るのが死亡時の保険金であれば、この金額は相続税の対象となります。相続税とは、故人が残した財産を引き継ぐ際にかかる税金のことです。

さらに、2年目以降に保険金を受け取る場合、「雑所得」として所得税の課税対象になります。これは、保険金が普通の収入と同じように扱われ、税金がかかることを意味します。

また、もし子どもが保険金の受取人になっている場合、初年度に受け取る保険金は贈与税の対象となります。贈与税は、ある人から他の人へ贈り物として渡されたお金や物にかかる税金です。

ただし、高度障害保険金を受け取る場合には、税金はかかりません。しかし受け取った保険金を使いきらずに死亡した場合は、相続税が課税されるため注意が必要です。

このように収入保障保険の年金形式での受け取りには、税金に関する複数の側面があるため、理解しておくことが重要です。保険を選ぶ際には、単に保険金の金額だけでなく、税金の影響も考慮に入れる必要があります。

収入保障保険が必要な人

収入保障保険が特に必要な人は、以下のとおりです。

  • 子どもの独立までの期間が長い人
  • 自営業者やフリーランスの人
  • 妻の収入が重要な役割を担う家庭

それぞれ詳しくみていきましょう。

子どもの独立までの期間が長い人

収入保障保険が特に必要とされるのは、子どもの独立までの期間が長い人です。収入保障保険は、万一の事態に備えて家族が直面するであろう経済的な負担を軽減するのに役立ちます。

通常、家庭では世帯主が収入を得て、生活費や住宅費、子どもの教育費などの支出を賄います。しかし、専業主婦(主夫)も同様に収入保障保険を必要とします。専業主婦(主夫)に万一のことがあった場合、家事や育児、ときには介護といった日常の責任が配偶者に移り、生活に大きな影響を与えるからです。

例えば、残された配偶者は仕事の時間を減らしたり、外食を増やしたりする必要が生じるかもしれません。また、子どもの世話や家事を行うためにシッターや家事代行サービスを利用するケースも考えられます。このような変化は、家計に負担がかかり、経済的なストレスを引き起こす可能性があります。

したがって、子どもの独立までの期間が長い家庭では、世帯主だけでなく専業主婦(主夫)も収入保障保険を検討することが重要です。

自営業者やフリーランスの人

自営業者やフリーランスは会社員や公務員と比べて、遺族年金で受け取れる保障が少ないです。遺族年金とは、国民年金および厚生年金に加入している人、もしくは加入していた人が亡くなったときに、その人によって生計を維持されていた遺族に対して、生活を保障する目的で支給される公的年金のことです。

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の二種類があり、「遺族基礎年金」は18歳までの子どもがいる場合に限り受け取れます。「18歳までの子ども」とは以下の条件を満たした子どもをいいます。

  • 18歳の誕生日が過ぎた年度の末日(3月31日)まで
  • 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子どもに対して支給されます。

条件をみたす会社員や公務員などが死亡した場合は遺族厚生年金も上記に加えて支給されます。

しかし、自営業者やフリーランスは遺族基礎年金のみを受け取ることになり、遺族厚生年金は受け取れません。そのため会社員や公務員と比較して受け取れる遺族年金が少ないのです。

さらに、子どもがいない場合、自営業者やフリーランスは遺族基礎年金よりも少ない金額の「死亡一時金」や「寡婦年金」のみを受け取ることになります。

このような状況を鑑みると、自営業者やフリーランスにとって収入保障保険は非常に重要です。収入保障保険の加入は、万が一の事態が発生した場合に、遺族が経済的な安心を保てるでしょう。

妻の収入が重要な役割を担う家庭

女性が亡くなった場合、男性と比較して遺族年金の受け取れる金額が異なるため、妻の収入が重要な役割を担っている場合にも収入保障保険は重要です。

具体的には夫が亡くなった場合、遺族は遺族基礎年金に加えて「中高齢寡婦加算」を受け取ることができ、さらに妻は遺族厚生年金は終身で受け取ることが可能です。

しかし、妻が亡くなった場合は状況が異なります。遺族は遺族基礎年金と遺族厚生年金のみを受け取れ、さらに夫が55歳未満であった場合の遺族年金は、末子が18歳になるまでの受け取れますが、中高齢寡婦加算はありません。

このように妻が亡くなると、家族は収入を失うだけでなく、遺族年金の面でも不利な状況に置かれます。そのため、妻の収入が家庭経済に大きな影響を及ぼす場合は、夫だけでなく妻も収入保障保険を検討すると安心でしょう。

収入保障保険を選ぶときの6つのポイント

収入保障保険が必要だと感じても、どのように選べばよいのか迷ってしまう人も多いでしょう。収入保障保険を選ぶ際のポイントは、以下の6つです。

  • 必要保障額
  • 保険料と割引きの有無
  • 保険期間
  • 特約の有無
  • 払込免除の条件

それぞれのポイントを抑えて自分に合った収入保障保険を検討しましょう。

必要保障額

収入保障保険の加入を検討する際は、まずどれくらいの遺族年金を受け取れるかを確認しましょう。現在の生活費の70%~80%から遺族年金で受け取る金額を差し引いた残りが、必要とする保障額になります。

ただし、亡くなったあとは生活費のみだけでなく、以下のような点も考慮する必要があります。

  • 子どもの希望進路とその教育費
  • 亡くなったあとも現在と同じところに住むのか
  • お墓の有無
  • 亡くなったあとも配偶者は今と同じ収入を得られるのか

これらの費用を考慮すると、必要保障額の計算は複雑になりがちです。もし自分で計算するのが難しい場合は、保険の専門家であるファイナンシャルプランナーや保険代理店に相談すると良いでしょう。

専門家の助けを借りることで、自分の家族にとって最適な保険のプランを見つけられます。

保険料と割引きの有無

特約がなく死亡保険金のみを提供する収入保障保険の場合、保険金額や保障期間が同じであれば、保険料が安いものを選ぶのが一般的に良い選択といえます。

さらに、保険料の割引にも注目しましょう。最近では、健康状態や生活習慣に応じて保険料を割引く保険会社が増えているため、加入前に確認することで保険料を抑えられる可能性が高いです。

例えば、非喫煙者であれば割引が適用される保険商品や血圧やBMI(体格指数)の数値が一定の基準以下である場合に割引が受けられる保険商品があります。

また、健康診断書を提出して保険会社が定める基準をクリアすることで、割引が適用される保険商品も存在します。これらの割引は、保険料の総額を減らせるため、経済的な負担を軽減することが可能です。

保険を選ぶ際は、単に保障内容だけでなく、保険料のコスト効率や割引の有無も考慮することが重要です。自分の健康状態や生活習慣を活かして、保険料の割引を最大限に利用することで、より適切な保険選びが可能になります。

保険期間

収入保障保険の保険期間は、家族の将来のニーズに合わせて柔軟に決定しましょう。

例えば、末子が経済的に自立するまでを保険期間に設定する方法です。子どもが独立するまで、家族には経済的な支援が必要です。したがって、その期間に合わせて保険期間を設定することが理想的です。

ほかにも「夫が得ていた給料の代わりになるので夫が定年退職する予定の年まで準備したい」「妻が年金を受け取れる年齢まで準備したい」など保険期間には、さまざまな考え方があります。

このように、収入保障保険の保険期間を選ぶ際には、家族の将来の計画やニーズに合わせて決定することが大切です。そのため個々の家庭の状況に応じて最適な保険期間を選べるかどうかも加入前に確認しましょう。

特約の有無

収入保障保険にはオプションとして特約が付加できる保険商品も存在します。例えば「三大疾病」である、がん、急性心筋梗塞、脳卒中等の悪化で働けなくなったり、所定の障害や介護状態になった場合も保険金が受け取れる特約があります。これらの特約を付加すると、さらに充実した保障を得られますが、同時に保険料も高くなるので、加入する際はその必要性をしっかりと検討しましょう。

また、すでに医療保険やがん保険、就業不能保険など別の保険に加入している場合、特約が重複する可能性があるため、加入前に現在の保険内容をよく理解しておくことも重要です。特約の重複は無駄な支出につながるため、自分がすでに持っている保険とのバランスを考慮して、最も効果的な保険の組み合わせを選ぶことが大切です。

払込免除の条件

払込み免除特約とは特定の病気や障害状態になった場合に保険料の支払いが免除される特約のことを指します。収入保障保険には、この特約を設けている保険商品もあり、万一の事態が発生した際に非常に役立ちます。

例えば、払込免除の条件には「三大疾病」であるがん、急性心筋梗塞、脳卒中が含まれることが多いです。また、「保険会社が定める就業不能状態」や「特定の介護状態」になったときにも、払込免除が適用されることがあります。これらの条件に該当すると、以後の保険料の支払いが不要となり、それでも保障は保険期間満了まで継続されます。

しかし、払込免除の条件は保険商品によって異なるため、保険を選ぶ際には条件を十分に確認することが重要です。具体的な条件や対象疾病、障害状態など、細かい部分までしっかりと理解し、自分や家族にとって最適な保険を選びましょう。

違いを解説!収入保障保険と似ている3つの保険

収入保障保険と似ている保険には、以下が挙げられます。

  • 定期保険
  • 就業不能保険
  • 所得補償保険

それぞれの違いを詳しく解説します。

定期保険

収入保障保険と定期保険は、どちらも万が一の死亡や高度障害に備えるための保険ですが、受け取り方に大きな違いがあります。

収入保障保険では、保険期間満了まで毎月一定の保険金を受け取れます。この保険は、加入時に設定した保障額が時間の経過とともに減少していくことが特徴です。

一方で、定期保険は、万一の時に契約した保険金額を一括で受け取れます。例えば、1000万円の保障額で契約した場合、万が一の際にはこの1000万円がまとめて受け取れます。また、定期保険の保険金額は、途中で契約内容を変更しない限り、変動しない一定額です。

このような受け取り方の違いから、収入保障保険の保険料の方が割安に設定される傾向があります。収入保障保険は、長期間にわたって安定した収入を保障するのに対し、定期保険は特定の期間内での大きな保障を提供します。

自分のライフステージや将来の計画に基づいて、どちらの保険が最適かをよく検討することが大切です。

定期保険についてはこちらでも詳しく解説しています。

就業不能保険

収入保障保険と就業不能保険は、いずれも重要な保障を提供する保険ですが、その対象となるリスクには大きな違いがあります。

収入保障保険は、死亡や高度障害の際に保険金が受け取れるものです。この保険は遺族が受け取ることを想定しており、万が一の際に家族の経済的なサポートを目的としています。

一方、就業不能保険は、けがや病気で長期にわたって働けなくなった場合に、収入減少のリスクに備える保険です。この保険では、被保険者本人が直接、保険金を受け取ります。つまり、就業不能になった本人だけでなく、その家族の生活費のサポートも考慮されている保険です。

就業不能保険の保険金額は、職業や年収によって異なり、その人の収入状況に合わせて設定されます。近年では、収入保障保険に就業不能の保障を付加できる商品も登場しており、より包括的な保障を求める人にとっては魅力的な選択肢といえるでしょう。

収入保障保険が万一の死亡や高度障害時の家族をサポートするのに対し、就業不能保険は生活維持のために働けなくなった際の本人および家族をサポートします。それぞれの保険は異なるリスクに対応しているため、自分のライフステージやリスクへの備えに応じて選ぶことが重要です。

また収入保障保険と就業不能保険を組み合わせることで、より幅広いリスクに備えることが可能です。

就業不能保険に関する内容はこちらで詳しく解説しています。

所得補償保険

所得補償保険は損害保険会社によって取り扱われており、けがや病気で働けなくなった際の収入減少に備えるための保険です。

所得補償保険の目的は、被保険者がけがや病気で働けなくなった場合に、その収入の一部を補填するために設計されているため、純粋に所得の補償のみとなります。

所得補償保険と、就業不能保険は両方働けなくなったときの保険ですが、就業不能保険は職業の有無にかかわらず加入でき、給付金をさまざまな需要に応じて活用できる点が異なります。

所得補償保険の保険金額の計算は、被保険者が保険契約を締結する直前の12ヶ月間における平均月間所得に基づいて行われます。

被保険者が加入されている公的医療保険制度平均所得額に対する保険金額割合
国民健康保険(例:個人事業主)70%以下
健康保険、共済組合(例:給与所得者、公務員)50%以下

しかし、重要な点として、所得補償保険金額が被保険者の直前12ヶ月間の平均月間所得を上回る部分については、保険金の支払いが行われないというルールがあります。これは、実際の収入を超える保険金が支払われることを防ぐための措置です。

したがって、所得補償保険に加入する際には、自分の実際の収入と保険金額のバランスを慎重に検討する必要があります。この保険は、働く能力を失った場合に生活を支える重要な手段となりますが、保険金額の設定には注意が必要です。

収入の補填以外にも、働けなくなったときの治療費や介護費用などを準備しておきたい場合には、就業不能保険を検討するとよいでしょう。

まとめ

収入保障保険は、死亡や高度障害時に毎月保険金を受け取れる保険です。貯蓄性がない「掛け捨て型」であるため、万一のときに一度に多くの支出を想定している人にはデメリットといえるでしょう。

しかし、計画的な収入源としての利用や保険期間満了までの安定した収入が得られるため、遺された家族が安心して生活していくための資金確保としては大きなメリットだといえます。保険選択時には、必要保障額や保険料の割引、保険期間などを慎重に考慮する必要があります。

さらに定期保険や就業不能保険、所得補償保険といったほかの保険との違いを理解し、収入保障保険と組み合わせて検討するのもおすすめです。収入保障保険は、家族の経済的な安定と将来の計画に役立つ保険といえるでしょう。

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監修者プロフィール

COMPASS TIMES
編集部

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