個人年金保険とは、「保険料を払い込んで資金を積み立てることで、契約時に定めた年齢から年金を受け取ることのできる保険」です。個人年金保険では、老後の生活資金など、将来必要になるお金を計画的に準備することができます。例えば、公的年金や退職金だけでは老後資金が不足しそうな場合、それらを補完するものとして活用できます。
公的年金があれば個人年金保険への加入は必要ないのでは・・・?
そんなことはありません!公的年金と個人年金保険の役割を理解し、必要な保障を確認しておきましょう!
個人年金保険と他の年金制度との違い
公的年金との違い
個人年金保険は、自分で老後に備える任意の私的年金です。
対して公的年金は強制保険であり、日本国内に住所のある20歳以上の人は加入を義務づけられています。それぞれの違いは以下の通りです。
個人年金保険 | 公的年金 | |
---|---|---|
仕組み | 保険会社を通じて保険料を積み立て、老後に積み立てた資金を受取る貯蓄型の保険 | 強制加入の公的社会保障制度 老後に受け取れる「老齢年金」のほか、「障害年金」「遺族年金」の保障もある |
加入 | 任意加入 (※保険会社による加入審査がある場合もある) | 強制加入 |
解約 | いつでも解約できる (※ただし、解約時期によっては元本割れする可能性がある) | 原則、できない |
途中引き出し | 原則、できない (※「契約者貸付制度」を利用できれば積み立てている資金のうち一部を借りられるが、所定の利息がかかる。契約によっては利用できない。) | 原則、できない |
年金の受け取り | 契約時に定めた年齢から受け取れる (※年金受け取りもしくは一括受け取りを選択できるケースが一般的だが、契約による) | 原則、65歳から 生存している限り2ヶ月に1回年金を受け取れる (※希望すれば繰り上げ受給可能) |
年齢 | 契約による | 国民年金:日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人(※) |
保険料 | 契約による | 2021年度国民年金保険料:1万6610円 |
所得控除 | 年間に支払った保険料額に応じて一定の生命保険料控除を受けられ、所得税・住民税が軽減される | 年間に支払った保険料は全額社会保険料控除となり、所得税・住民税が軽減される |
(※)・・・厚生年金・共済年金は別途加入条件があります
(国民年金に関する出典:「公的年金の種類と加入する制度」(日本年金機構ホームページ))
公的年金を受け取れるのは、原則65歳からとなっています。
希望すれば60歳~64歳に前倒しで受け取ることもできますが、その場合は年金額が減額され、その減額率は一生変わりません。こうした公的年金をカバーするために生まれたのが個人年金保険です。
個人年金保険は、保険会社との任意の契約によって成り立っています。契約内容をカスタマイズし、好きな金額から始められるので、公的年金で不足を感じる部分を柔軟にカバーできるでしょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)との違い
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、確定拠出年金法に基づき実施されている私的年金制度です。
加入は任意で、自ら掛金を拠出して将来受け取る老後資金を運用します。運用方法は、投資信託・保険商品・預金などの中から選べます。iDeCoは掛金の全額が所得控除の対象になるほか、運用期間中の利益や利息は非課税です。
また、iDeCoで積み立てた資金を受け取る際は、一時金受け取りなら「退職所得控除」、年金受け取りなら「公的年金等控除」の対象となります。ただし、原則として60歳になるまでは運用資金を引き出せない点には注意しましょう。
個人年金保険 (※確定年金の場合) | iDeCo (個人型確定拠出年金) | |
---|---|---|
受給額 | 決まっている (※外貨建て・変額年金の場合は決まっていない) | 決まっていない |
税金の扱い | 保険料の一部は生命保険料控除の対象 | 掛金は全額所得控除の対象 |
取り扱い会社 | 保険会社 | 証券会社、銀行、保険会社など |
ひと月に積立できる金額 | 契約時に任意で決定できる | 任意だが加入者によって上限あり (月額1.2万~6.8万円) |
解約について | 可能 | 原則不可 |
個人年金保険の種類
個人年金保険には、主に「円建て年金」「外貨建て年金」「変額年金」の3種類があります!
円建て個人年金
円建て個人年金とは、保険料を円で支払い、年金を円で受け取る一般的な個人年金保険です。海外の高利回り通貨で運用する「外貨建て年金」と比べると、円建て保険の運用利回りは低めです。
しかし、為替の影響を受けることがないため、一定期間保険料を支払えば元本割れのリスクも極めて低く、安全に運用をしたい人に適しています。
外貨建て個人年金
外貨建て個人年金とは、米ドルや豪ドルなどの外貨で保険料を支払い、年金の受け取りも外貨で行われる個人年金保険です(日本円での支払い・受け取りも可能)。日本円よりも金利の高い外貨で運用されるため、為替の状況によっては受け取れる年金額率が高くなります。
資産形成目的の人から注目を集める外貨建て年金ですが、為替変動によって将来受け取る年金が元本割れする可能性もあります。加えて、保険料の支払いや年金の受給時に日本円を外貨に換える場合には為替手数料が発生するため、加入する際には注意が必要です。
変額個人年金
変額個人年金とは、保険会社が運用会社を通じて特別勘定と呼ばれる方法で資産運用を行い、その実績によって将来の年金額や解約返戻金が変動する年金保険です。
変額保険の特別勘定は、株や債券に投資する投資信託を中心に運用されます。そのため、外貨建て年金と同様、将来の年金額が変動するというリスクがあります。一般的な円建て保険よりも元本割れリスクが高いことを理解した上で加入しましょう。
- 特別勘定とは
個人年金保険の受け取り方法
個人年金の受け取り方法には、「終身年金」「有期年金」「確定年金」の3種類があります!
終身年金
保険料の払込期間に支払いを満了すれば、被保険者が生存している限り年金が支払われる仕組みです。長期にわたり受給できるという性質がありますが、保険料は有期年金、確定年金よりもやや高めです。
有期年金
契約時に選んだ期間内に年金が支払われる仕組みです。契約期間が終了すると年金の支払いが停止します。終身年金よりも保険料は安く、契約時に受給する年金額が決まっているため、ライフプランが立てやすい利点があります。
一般的に、支払期間は5年以上からの契約で、10年、15年、20年の中から選択できます。公的年金を受け取るまでの「つなぎ資金」として利用する人も少なくありません。
確定年金
受取人の生死に関係なく、最初に定めた一定期間は必ず年金が支払われる仕組みです。期間は10年または15年から選択するのが一般的です。万が一、受取期間中に被保険者が死亡した場合は、残額が年金または一時金という形で遺族に支払われます。
個人年金保険を選ぶ時の4つの注意点
老後資金を強制的に積み立てられる個人年金保険には、以下の注意点があります。これらをしっかりと理解したうえで上手に活用し、老後の生活に備えましょう。
注意点① 流動性が低く解約しづらい
保険料をまとめて支払う一時払いを除き、「満期までの契約=保険料支払い」が前提になっているのが個人年金保険です。そのため、気軽に解約したり、資金を自由に引き出したりすることができません。
契約者貸付制度を使えば積み立てたお金の一部を引き出せるものの、一定の利息がかかります。また、早期の解約では元本割れしてしまう可能性があるため、計画的に契約することが大切です。
注意点②「個人年金保険料控除」は所定の要件がある
個人年金保険は一般の生命保険とは別枠で「個人年金保険料控除」を使えるため、控除枠を活かして節税効果を高められます。しかし、この「個人年金保険料控除」枠を使うには所定の要件を満たさなければなりません。
【個人年金保険料控除の対象になるための要件】
平成24年1月1日以後に締結した保険契約であり、以下の要件を満たすこと
- 年金受取人が契約者、または配偶者となっている
- 年金受取人が被保険者(保険の対象になる本人)と同じ
- 保険料の払い込み期間が10年以上
- 年金の種類が確定年金や有期年金の場合、年金を受け取る年齢は60歳以降、かつ受取期間は10年以上であること
(出典:国税庁ホームページ「No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等」より「対象となる個人年金保険契約等」)
年金の受け取り期間が5年の契約や、保険料を一括で払い込む一時払い契約は個人年金保険料控除の対象外となるので注意が必要です。
注意点③ 変額個人年金や外貨建て個人年金は運用状況で元本割れする可能性もある
変額個人年金保険や外貨建て個人年金保険は、運用に特化した商品です。
運用や為替の状況によっては、将来の年金額が積み立てた保険料を下回る可能性もあります。こうしたリスクはパンフレットや重要事項説明書に大きく記載されていますが、理解せず契約して苦情になっているケースが年々増えています。
商品によっては、リスク対策として最低保証利率を設定しているものもあります。リスクとリスク対策はよく確認し、少しでも疑問があれば保険会社や代理店の担当者へ確認しましょう。どんな疑問でも、しっかりと答えてくれる担当者の元で契約することが大切です。
注意点④ 円建て個人年金は金利が低くインフレに弱い
定額型の個人年金保険は予定利率が約束されているため、元本保全性は極めて高いです。
一方で、近年は市場金利の低下により個人年金保険の予定利率は低くなっています。つまり、元本保全性は高い反面、運用利回りが悪くなっているのです。
将来的に物価が上がれば、個人年金保険の運用利回りより物価上昇率(インフレ)のほうが高くなる可能性も考えられます。インフレ対策を考える場合は、変額個人年金や外貨建て個人年金への加入を考えてみる、円建て個人年金の保険とあわせて投資を始めてみるといった対策が必要です。
強制的に老後資金を準備でき、節税効果も期待できる個人年金保険を上手く活用しましょう!
まとめ
今回は、個人年金保険と他の年金制度との違い、個人年金保険の種類や受け取り方法、加入検討時の注意点についてご説明しました。実際に個人年金保険の加入を検討する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 老後の資金に必要な金額を確認しておく
- 自分に合った年金の種類を決める
- ライフプランに合わせて、年金の受け取り方法・支払い方法・運用方法を決める
上記のポイントを押さえつつ、多くの保険プランから自分に合った保障内容を選択するのは難しいため、保険選びで迷った際には保険のプロと一緒に考えることをおすすめします!
まずは一度、保険コンパスでプロのファイナンシャルプランナーと最適なプランを確認してみませんか?
ぜひお気軽にご相談ください。お待ちしております♪
上記のポイントを押さえつつ、多くの保険プランから自分に合った保障内容を選択するのは難しいため、保険選びは保険のプロと一緒に考えることをおすすめします!
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