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writer:風に吹かれて

電子マネーと飛騨の旅

県民割引と旅コインで、実質数千円で高山・白川郷の日帰り旅行に行けるからと、奥さんに誘われ、ほぼ強引に格安バスツアーに参加することになった。


人生初のバス旅である。


出発の前日、車で行くのと違い、道中、電車と同じようにお酒が飲めることに気付くと、俄然気分は高まり、缶ビールとスキットルにウイスキーを入れ愛用のライカと共に鞄に忍ばせた。


「まるで子供の遠足ね」と笑われながら。でもいいのです。
君は、車窓の景色を観ながら飲むお酒がいかに旨いかしらないのだから。


当日、JRの駅駐車場に集合し、バスに乗るのだが、参加者は様々で面白い。
高齢の女性のグループ、30代とみられる女性1人、20代とみられる男性2人、若いカップル1組、そして我々のような高齢の夫婦。


人間ウォッチングをしている間に出発時間になり、いざ、バスに乗り込み、指定された座席に腰を下ろす。
すると奥さんが突然「あっ」と声を発し笑っている。


なんだ?どうした?と思いながら前席の背もたれを見るとコロナ禍の注意という張り紙が。
マスク着用、大声の会話禁止など数項目にわたって注意書きが書かれてある。


そして最後に「飲酒禁止」と。


ふてくされながら文庫本を開いているとガイドを務める女性が旅コインの説明を始めた。
スマホにアプリをダウンロードし、コードを入力し、と結構面倒というか複雑。


しばらくしてできなかった人は手を上げて下さい。直接、説明に行きますからと。
説明書はあるものの、若者以外は全員手をあげるぞと思いきや誰も手を上げない。


奥さんいわく。みんな事前にアプリをダウンロードして勉強しているのよ。
旅コインを知らなかったのは僕だけだったようだ。


数時間で世界遺産白川郷に。


天気は雨、あられ、吹雪と荒れていましたが時折晴れ間も。
合掌造りとモノクロはとても相性が良く久しぶりに撮影意欲がわいた。





旅のメーンである飛騨牛の昼食を取り、いざ高山へ。


過去に何度も訪れているが、一番印象に残っている出来事は、ふと手にしたフリーペーパーに載っていた石田千のエッセイとの出合い。


それ以来、ファンになり彼女の本を読み漁った。


奥さんが高山は独身時代一度訪れただけというので、古い街並みや朝市が開かれる宮川沿いをゆっくり散歩して、旅コインでお土産を買うことに。


数店舗、お店を回ると気になることが。
どこにでも「さるぼぼコイン」のシールが張ってある。


お店の人に聞くと地元の金融機関が発行している電子マネーで、老若男女、ほとんどの飛騨人は、大手の電子マネーよりこの「さるぼぼコイン」を利用しているという。


チャージしてポイントがたまり加盟店では大幅なポイント還元キャンペーンなどもあるみたい。
高山市、飛騨市、白川村でしか使えない電子マネーだが、地元の金融機関、地元の商店。
そして地元住民が潤うまさに利便性だけではない地域活性化の電子マネーだと感心した。


帰りのバスは歩き疲れて寝るだけと思っていたら後ろのお婆ちゃんらが「私はバスツアーに参加する男女は訳ありカップルか本当の夫婦か一目見て分かる」と自慢していた。


「なぜですか」と聞きたくなる衝動をこらえ、目を閉じながら今日出会った参加者のカップルを思い浮かべていた。

監修者プロフィール

 藤田 聡
(ふじた・さとる)

1960年岐阜市生まれ。元新聞記者。経済紙、通信社、地方紙の3媒体で記事を書く。専門は経済。
通信社時代は、経済産業省記者クラブに席を置き、主に産業再生機構を担当。カネボウ、ダイエーなどを取材した。
地方紙では、財界担当、県政キャップなどを歴任し、出版室長、副編集局長、論説委員を務める。主な著書に財界人列伝「百折不撓」「千紫万紅」などがある。
趣味はカメラ、旅行、酒、読書。本は現役時代年間100冊をノルマに。現在は、専門書は一切読まず好きな作家を中心に年間70冊程度に。時間にゆとりができ、新たに愛犬・ボストンテリアと遊ぶことも趣味に加わった。

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