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風に吹かれて

路面電車

 晴れて東三河地域の責任者になった後輩の新聞記者から「先輩の皆さん、路面電車に乗りに来ませんか」とメールが来た。久しぶりに後輩に会いたい気持ちはあるものの鉄道マニアでもなければ即「行きますか」とはなかなかならない。決して路面電車が嫌いなわけではない。むしろ下町の人情を運んでいるようで好印象しかない。路面電車は多くの小説の舞台にもなっています。岐阜県出身で芥川賞作家の堀江敏幸さんが書いた「いつか王子駅で」が最も印象的。都電荒川線界隈に住む人たちの日常のちょっとした出来事を綴っている。

 

 さて、後輩からの誘い。結果的に60歳を過ぎた先輩3人は二つ返事で承諾しました。第二弾のメールに「ビール電車に乗って頂きます」と送られてきたからだ。コロナの影響で2020、21年は中止となり3年ぶりに再開された豊橋鉄道の「ビール電車」。しかも今年は30周年を迎える記念すべき年。仕事の伝手を使うことなくひたすら電話して予約を確保したという。メールの文面もどこか誇らしげ。まあ4人の日程調整をしながら決められた数少ない日にちのなかで予約を取ったのだから「素晴らしい」の一言。本当に頭が下がる。

 

当日は岐阜から豊橋に向かう友人と名鉄岐阜駅で待ち合わせ。特急に乗っていざ豊橋へ。お酒とおつまみは忘れずに。もはや大人の遠足です。終点の豊橋駅で大垣からJRで来た友人と待ち合わせ改札口で後輩の歓迎を受ける。

 

 ビール電車は豊橋駅前を午前11時53分に発車。運動公園前で折り返し、往復9・4キロ。乗車時間は約90分。お弁当が付いているが、後輩は別途、豊橋の名物ちくわも用意していた。気が利くのである。だから出世したのですね。車内では給仕の女性から、通常はもっと人数が多いこと。紙コップではなくガラスのジョッキだったこと、カラオケで盛り上がっていたことなど細かに説明を聞いた。全国からファンが訪れ、まちの風物詩として定着しているという。

 

車窓越しに豊橋の街をながめながら何杯もビールをおかわりした。

運動公園でトイレ休憩し帰路に。ビールだけでも酔うなあと想いつつせっかく路面電車に乗っているのにこのままではただビールを飲んだという思い出だけしか残らんぞと自戒。「いつか王子駅で」のようなちょっとしたエピソードもない。すると突然、車内で景品が当たるじゃんけんゲームが始まった。そしてなんと目玉である「30周年記念てぬぐい」が当たってしまった。これは良い記念になると受け取ると向いに座っている小学生がこちらをじっと見ていることに気付いた。そして思わず「どうぞ」と。酔っ払いの中で、淡々とジュースばかり飲んでいた彼。夏の思い出になればいいなあ。

 夕方、名鉄岐阜駅に到着し、バスターミナルに向かいJR岐阜駅に。ペデストリアンデッキを歩いていると広場に設置してある名鉄の丸窓電車が目に入る。そうかつて岐阜にも路面電車が走っていました。一気に寂寞(せきばく)の世界に。バスの中でしんみりしていると名案が閃いた。そうだ。秋になったら後輩にもう一肌脱いでもらい今度は「おでん車」に乗ろうと。

 

監修者プロフィール

 藤田 聡
(ふじた・さとる)

1960年岐阜市生まれ。元新聞記者。経済紙、通信社、地方紙の3媒体で記事を書く。専門は経済。
通信社時代は、経済産業省記者クラブに席を置き、主に産業再生機構を担当。カネボウ、ダイエーなどを取材した。
地方紙では、財界担当、県政キャップなどを歴任し、出版室長、副編集局長、論説委員を務める。主な著書に財界人列伝「百折不撓」「千紫万紅」などがある。
趣味はカメラ、旅行、酒、読書。本は現役時代年間100冊をノルマに。現在は、専門書は一切読まず好きな作家を中心に年間70冊程度に。時間にゆとりができ、新たに愛犬・ボストンテリアと遊ぶことも趣味に加わった。

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