病気やケガ、死亡や高度障害状態などのリスクに備えられる生命保険。特に年齢が若く、収入が限られる20代女性の中には、「まだ生命保険に加入しなくても良い」「生命保険に加入する必要性が分からない」と考える人もいるのではないでしょうか。

この記事では20代女性が生命保険に加入する必要性やおすすめの生命保険、生命保険を選ぶ際のポイントや注意点について詳しく説明します。

現在、生命保険に加入していますか?

まずは、20代女性のうち、どれくらいの人が生命保険に加入しているか見てみましょう。

2021年に編集部がおこなった独自調査では、調査対象である20代女性のうち「生命保険に加入している」と回答した人は、全体の57.8%でした。残りの42.2%は生命保険に加入していないようで、半数近くの20代女性が生命保険に加入していないことが分かりました。

(「はい」と回答した人)生命保険に加入している理由は?

アンケートで「生命保険に加入している」と回答した人を見てみると、「親に勧められたから」「万が一の事態に備えたいから」「将来の不安を抑えたいから」といった考えを持っていることが分かりました。中には、もともと親が加入していた生命保険を引き継いだという人もいました。

将来起こり得る不測の事態に備えたいと考える女性は、20代であっても生命保険の必要性を感じるようです。

(「いいえ」と回答した人)生命保険に加入していない理由は?

一方、「生命保険に加入していない」と回答した人の声を聴いてみると、「保険会社ごとにプランが異なるため選べない」「独身なので生命保険が必要ないと感じている」「保険料を支払う余裕がない」といった意見を持っていることが分かりました。

生命保険にはいくつかの種類があり、それらを扱う保険会社ごとにプランや保険料などが異なるため、どういった点を意識して比較すれば良いか悩む人は多いようです。

また、配偶者や子どもがいない人など、もしものことがあっても経済的な負担がそこまで多くない人や、預貯金などである程度リスクをカバーできる人によっては、生命保険が必要ないと感じるようです。

また、経済的な余裕がなく生命保険に加入しない人もいるようなので、こうした人でも万が一の事態に備えるには、保険料と保障のバランスを考えた生命保険の選び方を知る必要がありそうです。

20代女性が生命保険に加入する必要性とは?

「今のところ病気とは縁がない」という理由で生命保険に加入していない人もいるかもしれません。

しかし、多くの生命保険では、年齢を重ねて病気やケガなどのリスクが高まるとともに保険料も上がります。将来生命保険に加入したいと思っても、年齢によっては保険料が高くて保障を続けられなくなる可能性があるため、保険料を抑えやすい20代のうちに生命保険を検討したほうが良いでしょう。

また、生命保険に加入するときは、健康状態を告知する必要があります。病気になってから加入を検討しても、保険会社の審査結果次第では加入できない可能性もあり、加入できたとしても保障が制限されることがあります。

20代独身女性におすすめの生命保険

低い年齢で死亡や高度障害状態になるリスクは低いですが、こうした事態が起こらないとは言い切れません。そのため、不測の事態に備えて葬儀代やお墓の購入費用などをカバーできる程度の死亡保険を検討するのがおすすめです。

また、死亡や高度障害状態に至らなくても、病気やケガを負うリスクはあります。程度によっては手術を受けたり入院が長期化したりする場合があるので、高額な医療費負担に備えて医療保険を検討すると良いでしょう。

20代既婚女性におすすめの生命保険

20代既婚女性の場合、自分自身に加えて配偶者や子どもなど、家族への保障も考えなければなりません。独身のときよりも手厚い死亡保険や医療保険を検討する必要があるだけでなく、共働き世帯であれば「就業不能保険」のように長期間働けなくなったときの収入を保障する保険を検討するという選択肢もあります。

また、自身にもしものことが起こると、家族の生活費に加えて子どもの教育資金も不足する可能性があります。こうしたリスクに備えるには「学資保険」を検討して子どもの就学や進学にかかる費用をカバーできるようにしておくと安心です。

20代女性が支払う生命保険料の相場

生命保険文化センターの「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、20代女性が支払った1年あたりの保険料の相場は11.4万円です。その後、年齢を重ねるとともに金額が増加して、50代女性では20.6万円と最も高くなります。

参考:令和元年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター

20代女性が生命保険を選ぶ際のポイント

豊富な種類がある生命保険ですが、生命保険を選ぶときは、次のポイントを意識することが大切です。

  • 必要な保障額を把握する
  • 適切な保険期間を設定する
  • 女性特有の病気に手厚く備える
  • ライフステージに合った生命保険を選ぶ

必要な保障額を把握する

まずは自分自身や家族などにどれくらいの備えが必要か把握しましょう。必要な保障額は、自分が死亡または高度障害状態になったときや、病気やケガなどで入院や手術などが必要になったときに用意したい資金です。

たとえば、「葬儀代として300万円用意したい」「子どもの学費を貯めるために1,000万円の保障を用意したい」と考えれば、死亡保険や学資保険などで必要保障額に対応するプランを検討します。必要保障額は、現在の収入や貯蓄、家族構成やライフプランによって変わるので、自分自身の状況と照らし合わせながら決めましょう。

適切な保険期間を設定する

保険期間は、万が一の備えを用意する期間で、設定方法によっては一定期間リスクに備えることもできれば一生涯リスクに備えることも可能です。多くの生命保険では、保険期間によって「定期型」と「終身型」に分かれているため、それぞれの特徴を理解したうえで適切な保険期間を設定する必要があります。

定期型

定期型には、保険期間を10年や20年のように一定期間に限定するものや保険期間を年齢で設定できるものがあります。満期に達しても支払った保険料が戻ってこないものが多く、解約したときに受け取れるお金である「解約返戻金」も、受け取れないか受け取れたとしてもごくわずかになる可能性が高いです。

このように、定期タイプには貯蓄性が低く保障を用意できる期間も限られますが、そのぶん保険料が割安に設定されているものが多いです。

小見出し:終身型

終身型の生命保険は、万が一の備えが一生涯続く生命保険です。年齢に関わらずいつまでも病気やケガ、死亡や高度障害状態などのリスクに備えられます。

また、貯蓄性のある終身保険では満期時に受け取れる満期保険金や解約時に受け取れる解約返戻金があります。

そのぶん終身型の生命保険は、基本的に定期型よりも加入時の保険料は割高です。しかし、年齢が低いほど割安な保険料で加入できるものが多く、その保険料が一生涯続くものも多いので、更新するたびに保険料が上がるものが多い定期型よりも将来負担する保険料を抑えられる場合があります。

さらに、保険料の払い込み期間を一定年齢や一定期間で終える「短期払い」にすれば、払い込み起案が終われば保険料を負担せずに備えを用意し続けることも可能です。

保険料を一生涯払い続ける「終身払い」よりも月々の保険料の負担は増えますが、将来保険料を払えなくなるリスクを抑えることができます。

女性特有の病気に手厚く備える

乳がんや子宮頸がんのように女性特有の病気に備えておくことも大切です。医療保険の女性特約などで備えれば、入院給付金や手術給付金などを基本保障に加えて受け取れる可能性があります。

病気の種類や程度によっては入院が長引くこともあるため、基本保障とあわせて検討してみると良いでしょう。

ライフステージに合った生命保険を選ぶ

就職や結婚、出産や住宅購入など、控えているライフイベントはさまざまです。将来どのようなライフステージの変化が予想され、それに伴ってどれくらいの保障が必要か考えると、備えるべきリスクをイメージしやすくなります。

たとえば、就職が決まったのであれば、働けなくなったときの保障や病気やケガの保障、結婚や出産の予定があれば、死亡時に家族に遺せる保障を手厚くするといったことが考えられます。

20代女性が生命保険を選ぶ際の注意点

ここでは生命保険を選ぶときの注意点を見ていきましょう。

健康状態が良いときに生命保険に加入する

生命保険に加入するときに、現在の健康状態や過去の一定期間内でかかった病気などを保険会社に告知しなければなりません。

もし、一定期間内に入院や手術を受けたり、精神疾患やがんと診断されたりすると、生命保険への加入を断られる可能性があります。

もちろん、こうしたケースに該当しても、加入時に告知する項目が少ない引受基準緩和型の生命保険を選べば、保障を用意できるかもしれません。

しかし、引き受け基準を緩和した生命保険は、通常の生命保険よりも保険料が割高になり、保障に制限を設けられることもあるため、いざというときに十分な保障が受けられない可能性があります。

このようなリスクを抑えつつ備えを用意するためにも、健康状態が良いときに生命保険に加入することが大切です。

貯金だけでリスクに備えようとしない

「ある程度の収入があるから貯金でリスクをまかなおう」「少しずつ貯蓄すればいずれ資金が貯まるだろう」と考えている人もいるかもしれません。

しかし、病気やケガの程度によっては医療費の自己負担額が高額になったり、死亡したときに十分な金額を用意できていない可能性があります。

保険でリスクに備えていなかったばかりに、自己資産を大きく減らす結果になると、その後の生活が不安定になりかねません。

まとめ

人によってライフステージや将来備えたいリスクに対する考え方は違うため、生命保険を検討する際は、自分自身の人生設計にあわせて必要な保障を考えましょう。

また、生命保険によっては保険料を抑えて加入できるものもあります。健康状態が良いほど保険料を抑えて必要な備えを用意しやすくなるので、早めに生命保険選びを始めることも選択肢の1つとして持っておくと良いでしょう。

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監修者プロフィール

宮里 恵
(M・Mプランニング)

保育士、営業事務の仕事を経てファイナンシャルプランナーへ転身。
それから13年間、独身・子育て世代・定年後と、幅広い層から相談をいただいています。特に、主婦FPとして「等身大の目線でのアドバイス」が好評です。
個別相談を主に、マネーセミナーも定期的に行っている他、お金の専門家としてテレビ取材なども受けています。人生100年時代の今、将来のための自助努力、今からできることを一緒に考えていきましょう。

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