自動車を所有していると、ガソリン代や車検代、 オイル交換代などさまざまな費用がかかります。 自動車保険料も、自動車の維持費の中で大きな負担になる部分なので、 「なるべく保険料を安く抑えて適切な補償を用意したい」と考える人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、自動車保険料が安いと言われる軽自動車に焦点を当てて、 保険料の相場や保険料を安く抑えるコツについて、 ファイナンシャルプランナーのアドバイスを参考に説明します。

軽自動車の人気が高い理由とは?

自動車保険料を安く抑えられるのが魅力の軽自動車ですが、 軽自動車の人気が高い理由はそれだけではありません。 全国軽自動車協会連合会によると、軽自動車の魅力として次の3つが挙げられます。

  • 購入価格や税金が安く、燃費もよい
  • わずかなスペースでの駐車もできる
  • 狭い道でも余裕を持って走行できる

このように、軽自動車は普通乗用車とは違い、 金銭的な面や操作性といった面に大きな魅力があります。 軽自動車の保有台数が年々増えていることを考えると、 今後さらに軽自動車を利用する人が増えるでしょう。

参考:知れば知るほどいいね!軽自動車|社団法人 全国軽自動車協会連合会

軽自動車の自動車保険料の相場はいくら?

普通自動車よりも自動車保険料を抑えやすいと言われる軽自動車ですが、 軽自動車の自動車保険料の相場はどれくらいなのでしょうか。

損害料率保険機構がおこなった調査を参考にすると、 2019年度における軽自動車の平均保険料は49,637円(月間4,136円)でした。 もちろん、自動車の車種や記名被保険者の年齢、 等級や加入店舗によって保険料は異なりますが、自動車保険に加入する際は、 相場を参考にして保険料が適正かどうかを判断することが大切です。

参考:2019年度版_損害保険料率算出機構統計集|損害料率保険機構

軽自動車の保険料は普通車やコンパクトカーと比べてどれくらい安い?

次に、軽自動車の保険料が普通車やコンパクトカーと比べてどれくらい安いかを見てみましょう。

自動車のタイプ自動車保険料
軽自動車49,637円(月間4,136円)
普通自動車73,600円(月間6,133円)
コンパクトカー57,557円(月間4,796円)

同調査によれば、普通自動車は平均で年間保険料73,600円(月間6,133円)、 コンパクトカーは平均で年間保険料57,557円(月間4,796円)となっています。 軽自動車の平均保険料が49,637円(月間4,136円)であることを考えると、 普通自動車やコンパクトカーの自動車保険料よりも年間1~2万円程度安くなることが分かります。

参考:2019年度版_損害保険料率算出機構統計集|損害料率保険機構

軽自動車の自動車保険料はなぜ安い?

では、軽自動車の自動車保険料はなぜ普通自動車やコンパクトカーよりも安く抑えやすいのでしょうか。 軽自動車の自動車保険料が安い理由として、次の3つが考えられます。

  • 事故に遭う確率が低い
  • 重量が軽いので、相手の被害が比較的小さくなりやすい
  • 車両の価格が安い

軽自動車は普通自動車やコンパクトカーよりもサイズが小さく、 操作性が優れていることから、事故に遭う確率が低いと言われています。 保険会社が保険金を支払う可能性が低くなるため、保険料が安くなりやすいです。

また、軽自動車は重量が軽いものが多いため、 事故に遭ったときの損害も抑えやすくなっています。 事故で車両が損壊しても、 自動車自体の価額が安いため修理などにかかる金額がそこまでかからないのも、保険料が抑えられる理由です。

2020年に軽自動車にも導入!自動車保険料に影響する「型式別料率クラス」とは?

自動車保険料を抑えやすい軽自動車ですが、 2020年に「型式別料率クラス」が軽自動車にも導入されたため、 車種によっては自動車保険料が高くなる場合があります。

型式別料率クラスとは、保険料算出のために車種ごとに適用される分類のことで、 「対人賠償」「対物賠償」「人身傷害・搭乗者傷害」「車両保険」の4つの項目について段階が分けられているのが特徴です。 用途車種が自家用の普通自動車であれば1から17の17段階、 自家用の軽自動車であれば1から3の3段階の数字で車の型式ごとに区分しており、 保険金の支払い実績が少ない型式ほど数字が小さくなります。

型式別料率クラスは、車の型式と事故発生状況から毎年改定されるため、 自動車保険料は毎年見直されることになります。 車種ごとの形式料率クラスは、 損害保険料率算出機構のサイトで調べることができるので、一度チェックしておきましょう。

参考:型式別料率クラス検索|損害保険料率算出機構

軽自動車の自動車保険料を安くする9つの方法を紹介!

ここまでは、軽自動車の人気が高い理由や自動車保険料の相場、 型式別料率クラスについて説明しました。 車種によって保険料の違いはあるものの、 普通車やコンパクトカーよりも保険料を抑えやすい軽自動車に魅力を感じる人は多いのではないでしょうか。

以下では、軽自動車の自動車保険料をより安く抑える方法をご紹介します。

事故を起こさない

自動車保険には「等級」という、 事故歴に応じて自動車保険料を増減させる制度があります。 等級は1等級~20等級の20段階に区分されており、 等級が高いほど割引率が大きくなるため保険料は安くなります。

初めて自動車保険を契約する人は6等級からスタートするのが一般的で、 1年間保険を使った事故がなければ契約を更新する際に等級が1つ上がります。 つまり、事故を起こさないように運転すれば、年々自動車保険料が安くなっていきます。

また、保険会社によっては「ゴールド免許割引」という制度を設けているところもあります。 5年間無事故・無違反であれば優良運転者であると認められるため、 さらに自動車保険料を安く抑えられるでしょう。

基本補償内容を見直す

等級を上げたりゴールド免許を取得したりするには年数がかかりますが、 基本補償内容を見直せばすぐに保険料を安くすることができます。

たとえば、搭乗者傷害保険は、 人身傷害保険をセットにしていれば事故による損害は限度額の範囲内で補償してもらえるので、 必ずしも付帯させなければならないものではありません。 あくまで人身傷害保険の上乗せとしての補償なので、必要に応じて見直しを検討しましょう。

車両保険を見直す

自分自身の自動車に損害が生じた場合、 車両保険に加入していればその損害額を補填してもらえます。 車両保険は「エコノミー型」と「一般型」の2種類があるので、 どのタイプの車両保険を選ぶかによって自動車保険料が変わります。

以下では、車両保険のタイプについて詳しく説明します。

エコノミー型

エコノミー型は、 自動車同士の事故に限って自分自身の車両に生じた損害を補償してもらえるタイプの車両保険です。 補償してもらえる事故が限定されていますが、それだけ自動車保険料を安く抑えられるので、 「保険料を安く抑えつつ自動車に対する補償も用意したい」という人に向いています。

ただし、エコノミー型の自動車保険は、当て逃げや事故相手を特定できない事故など、 自動車同士の事故であっても補償の対象外になる場合があるので注意が必要です。 保険会社によって設定しているルールが異なるため、 どのようなケースで補償を受けられるのかを事前に確認しておきましょう。

一般型

一般型は、当て逃げや事故相手を特定できない事故はもちろんのこと、 自損事故や自転車との事故で生じる自動車への損害など、 幅広いリスクをカバーできるタイプの車両保険です。

しかし、補償範囲が広いため、それだけ自動車保険料は高くなりがちです。 また、地震や噴火、津波といった自然災害で生じる自動車の損害は補償してもらえない可能性が高いので、 あらかじめ確認しておきましょう。

免責金額を設定する

車両保険を付ける場合、 免責金額をいくらに設定するかによっても自動車保険料が変わります。

免責金額とは、補償を受けるときに自己負担しなければならない金額のことです。 免責金額を高く設定すれば、補償を受けるときの経済的な負担が大きくなりますが、 それだけ自動車保険料を安く抑えられます。

免責金額をいくらに設定するのか、 そもそも免責金額が設定できるのかは保険会社によって異なりますが、 支払い能力に応じて適切な金額を設定することが大切です。

必要な特約を見極める

自動車保険には、基本補償や自動車への補償のほかに、 特約として個別にセットできる補償もあります。

たとえば、契約車両以外の自動車を運転しているときの事故を補償する 「他車運転特約」や補償対象者を限定して保険料を抑える「運転者限定特約」などが挙げられます。 自分以外に自動車を運転する予定がないのであれば、 運転者限定特約を付けることで保険料を安く抑えられます。 しかし、ほかの自動車を運転する予定がないにもかかわらず他車運転特約を付けると、 余計な保険料を支払うことになってしまいます。

保険料を安く抑えつつ適切な補償を用意するためには、 必要な特約を見極めることが大切です。

セカンドカー割引を適用させる

軽自動車をセカンドカーとして購入する人もいるのではないでしょうか。

その場合、「セカンドカー割引」を適用させることで、 自動車保険の等級を7等級からスタートさせられるので、 初年度から保険料を安く抑えられます。等級ごとの保険料は保険会社によって異なりますが、 6等級からスタートするよりも安い保険料で補償を用意できるので、 セカンドカーとして軽自動車を購入する場合は忘れず申請しましょう。

保険料を年払いにする

自動車保険料の支払方法は、大きく分けて月払いと年払いがあります。 一般的に、保険料を年払いしたほうが月払いするよりも保険料の支払総額が安くなるため、 年払いを選ぶのがおすすめです。

また、自動車保険料を年払いすると、 口座残高の不足やクレジットカードの期限切れなどで支払いが滞るリスクを抑えられます。 補償が途切れるのを防ぐためにも、余裕があれば年払いを選択しましょう。

複数の保険会社に見積もりしてもらう

自動車保険の保障内容や補償額が同じでも、 保険会社によって保険料が変わる場合があります。 そのため、複数の保険会社に見積もりをしてもらい、 割安な保険料で加入できる保険会社で契約するのがおすすめです。

ただし、保険料が割安なところを選ぶと、ロードサービスや電話でのサポートなど、 補償以外の細かいサービスが限定的になる場合があるので注意が必要です。 ただ保険料の安さで保険会社を決めるのではなく、 保険料が安くなっている理由を考えたうえで選びましょう。

ダイレクト型自動車保険を選ぶ

店舗型の保険会社では、担当者と対面して補償を考えられるのがメリットです。 しかし、代理店の担当者が必要な補償を説明してくれたりする分、 保険料の中には代理店に支払う手数料も含まれています。 そのため、どうしても保険料は高くなります。

「ダイレクト型自動車保険」は、直接保険会社と契約を結ぶことにより、 インターネット割引なども使うことができ、保険料が安くなります。 わざわざ店舗に足を運ぶ必要がないので、自宅で保険契約を完結させられるのも魅力です。

まとめ

ここでは、軽自動車に人気が集まる理由や自動車保険料の相場、 軽自動車の自動車保険料を安く抑える方法について説明しました。

購入費用や燃費などが抑えやすい軽自動車ですが、 自動車保険料を抑えられればさらに家計に余裕を持たせることが可能です。 自動車を長く保有するのであれば、自動車保険料を安く抑える効果はさらに高まるでしょう。

ここで説明した内容を参考にして、補償内容と保険料のバランスが取れた自動車保険に加入しましょう。

保険コンパスなら、何度でも相談無料です

監修者プロフィール

宮里 恵
(M・Mプランニング)

保育士、営業事務の仕事を経てファイナンシャルプランナーへ転身。
それから13年間、独身・子育て世代・定年後と、幅広い層から相談をいただいています。特に、主婦FPとして「等身大の目線でのアドバイス」が好評です。
個別相談を主に、マネーセミナーも定期的に行っている他、お金の専門家としてテレビ取材なども受けています。人生100年時代の今、将来のための自助努力、今からできることを一緒に考えていきましょう。

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