海外旅行中に生じうる不測の事態に備える方法として代表的な「海外旅行保険」。

ネット保険や保険代理店での加入だけでなく、クレジットカードに付帯されているもので備えられるため、 ライフスタイルに応じて好みの加入方法を選べるのが特徴です。

2021年2月におこなった編集部の独自調査によると、海外旅行に行ったことがある126人のうち、 クレジットカードに付帯する海外旅行保険で備えた人が全体の40.5%と最も多いことが分かっています。

次いでインターネットで加入した人が22.2%、空港で加入した人が17.5%となっていますが、 中には「空港で海外旅行保険に加入できることを知らなかった」という人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、空港で海外旅行保険に加入する方法やメリット・デメリット、 加入時の注意点について詳しく説明します。

空港で海外旅行保険に加入する方法とは?

空港で海外旅行保険に加入する方法には、次の2つがあります。

  • カウンター
  • 自動販売機

まずは、これらの加入方法について詳しく説明します。

カウンター

空港によっては、敷地内に出店している保険会社のカウンターで海外旅行保険に加入できます。 成田空港や中部空港、関西国際空港など、 国際便がある規模の大きい空港では、複数の保険会社を見かけることもあるでしょう。

保険会社のカウンターに到着したら、 あらかじめ印刷されている申込書に必要事項を記入することで、海外旅行保険の加入手続きを終えられます。 そこまで時間がかかる手続きではありませんが、 多くの利用客が並んでいると順番待ちしなければならない場合があります。 出発時間に間に合わなければ海外旅行保険に加入できなくなるので、余裕をもって足を運びましょう。

自動販売機

空港内に海外旅行保険を扱う保険会社やカウンターがなくても、 自動販売機を利用して加入できる場合があります。 また、空港によってはカウンターとともに自動販売機を設置しているところもあるため、 待ち時間を抑えて手続きを進められます。

自動販売機では、次の手順で加入手続きを進めます。

  1. 質問に回答する
  2. 必要事項を入力する
  3. 契約内容を確認する
  4. 保険料を支払う
  5. 契約証などを受け取る

自動販売機は対面で手続きを進められませんが、 カウンターよりもスムーズに加入できるので「急いで加入したい」という人に向いています。

空港で海外旅行保険に加入する際に必要なものとは?

空港で確実に海外旅行保険に加入するには、 必要物品をそろえて手続きしなければなりません。 加入者に必要なものとして、次の3つが挙げられます。

現金かクレジットカードどちらかがあれば保険料の支払いは可能ですが、 現金の不足やクレジットカードが利用できないことを考えて、両方準備しておくのがおすすめです。

また、パスポートは必ず提出を求められるわけではありませんが、 保険期間が半年を超えるとパスポートの提示が求められる場合があります。 加入手続きに印鑑が必要ないことも知っておきましょう。

空港で海外旅行保険に加入するメリットとは?

冒頭で紹介したように、海外旅行保険を用意する方法として、 クレジットカードに付帯される海外旅行保険の利用やインターネットでの加入がよく選ばれています。

では、空港で海外旅行保険に加入することにはどのようなメリットがあるのでしょうか? 空港で海外旅行保険に加入するメリットとして、次の2つが挙げられます。

以下では、これらのメリットについて詳しく説明します。

手続きの手間を抑えやすい

海外旅行保険に加入するためには、 保険代理店に足を運んだり契約申込書を記載して保険契約証を郵送してもらったりしなければなりません。 加入方法によっては、 これらの手続きが終わるまで数日かかる場合があるため、準備に時間がかかってしまいます。

しかし、空港で海外旅行保険に加入すれば、 早い場合はわずか数分で加入手続きを終えられます。 その場で保険契約証を受け取れるので、紛失や忘れ物も防げるでしょう。

出発直前でも海外旅行保険に加入できる

人によっては、 「海外旅行保険に加入するのを忘れていた」と出発直前に気づく人もいるかもしれません。
しかし、空港に保険会社のカウンターか自動販売機が設置してあれば、 出発直前でも海外旅行保険に加入できます。

先述したように、早ければ加入手続きを数分で終えられるので、 搭乗時間が近づいている場合でも、急いで手続きすれば間に合うかもしれません。 万が一のときも空港で海外旅行保険に加入できることを知っておけば、 安心して準備を進められるでしょう。

空港で海外旅行保険に加入するデメリットとは?

空港で海外旅行保険に加入することには、メリットがある反面、次のデメリットもあります。

以下では、これらのデメリットについて詳しく説明します。

保険料が高くなりやすい

どの保険でも加入方法によって保険料は異なるように、 海外旅行保険も加入方法によって保険料は変わりますが、 中でも空港で加入する方法は保険料が高くなりやすいです。

その理由として、インターネットで申し込みできなかったり、 選べる保険会社が限られたりすることが挙げられます。

空港で海外旅行保険に加入すると、 「現金が足りなかった」「旅行にかかる費用が大きな負担になった」といった事態が起こるかもしれません。 そのため、「海外旅行保険に加入していないことを出発直前に気づいた」「保険契約証を空港で手に入れたい」といった特別な理由がない限り、事前に海外旅行保険に加入したほうがよいでしょう。

選べる補償プランの自由度が低い

保険代理店やネット保険では、保険金額や補償範囲などを柔軟に設定できます。

しかし、空港で加入できる海外旅行保険はセットプランになっているものが多いため、 自由に補償内容を選べない可能性が高いです。

海外旅行中に起こるトラブルによっては、 補償限度額を超える損害が生じるリスクがあります。 たとえば、「補償限度額が2,000万円だったけれど、 相手をケガさせてしまい3,000万円の損害額が発生した」といった事態が起こると、 差額の1,000万円は自分自身の資産から補填しなければなりません。

場合によっては損害額を支払いきれなかったり、 今後の生活が不安定になったりするかもしれないので、 自分自身に適した海外旅行保険を事前に用意しておくのがおすすめです。

自宅から空港までの道中は保険期間の対象外になる

海外旅行保険では、渡航先で起こるトラブルだけでなく、 自宅と空港までの移動で生じるトラブルも補償対象になるのが一般的です。 しかし、空港で加入手続きをすると、 自宅から空港に行くまでは保険期間の対象外になるので、 トラブルが生じても補償してもらえません。

たとえば、「自宅から空港までの道中に転んでケガをしてしまった」といった事態が想定されます。 事前に海外旅行保険に加入していなければ、 このようなトラブルで生じた損害を海外旅行保険で補えません。

海外旅行保険に出かける際は、 普段持ち歩かない荷物を運んだり慣れないルートを通ることから、さまざまなトラブルが起こりえます。 気持ちよく海外旅行に出発するためにも、事前に海外旅行保険に加入しておくと安心です。

契約できる保険会社が少ない

先述したように、空港で海外旅行保険を契約できる保険会社は限られています。規

模の大きい空港では好みの保険会社で保険契約できるかもしれませんが、 空港によっては1社しか保険会社を選べないところもあるので、加入者の選択肢は狭くなります。

そのため、空港で海外旅行保険に加入する際は、「ほかの保険に加入している保険会社を選びたい」と思っても、 好みの店舗がない可能性が高いです。自由に保険会社を選びたいのであれば、 あらかじめ空港に出店している保険会社を調べておくか、 自宅を出発する前に海外旅行保険に加入しておくのがおすすめです。

時間をかけて補償内容を比較できない

ご紹介したように、空港で海外旅行保険に加入すると、選べる保険会社が限定されるので、 補償内容をしっかり比較して適切な備えを用意するのは難しいです。

また、保険会社のカウンターや自動販売機が混雑していると待ち時間も増えるので、 さらに補償内容を比較しにくくなります。

また、搭乗時間が迫っているときに海外旅行保険に加入していないことを気づいた場合、 急いで手続きを進めなければなりません。 限られた時間で海外旅行保険に加入しなければならないので、 補償内容を比較する余裕はさらに少なくなります。

焦って海外旅行保険に加入すると、 万が一のときに十分な補償を受けられなくなるかもしれません。 時間に余裕を持って適切な備えを用意するためにも、 自宅を出発する前に海外旅行保険への加入を済ませましょう。

空港で海外旅行保険に加入する際の注意点

空港で海外旅行保険に加入するのは、メリットよりもデメリットのほうが多いです。

しかし、どうしても空港で加入手続きをしなければならないのであれば、次の注意点も知っておく必要があります。

  • カウンターや自動販売機の場所を把握しておく
  • 営業時間もチェックしておく

以下では、これらの注意点について詳しく説明します。

カウンターや自動販売機の場所を把握しておく

空港によっては施設内の面積が広く、 どこにカウンターや自動販売機があるのかを把握できない場合があります。

「搭乗時間が迫っているのに、どこで海外旅行保険に加入すればよいか分からない」といった事態が起こると、 余裕を持って海外旅行に出発できなくなるので、 あらかじめカウンターや自動販売機の場所を調べておくことが大切です。

「空港で海外旅行保険に加入するつもりはないので、 店舗の場所を把握しておかなくてもよい」と思う人もいるでしょう。 しかし、先述したように、 出発直前に海外旅行保険に加入し忘れていたことに気づく可能性はゼロではありません。

空港で海外旅行保険に加入しなければならない事態が起こるリスクを想定して、 念のためにカウンターや自動販売機の場所を確認しておくのがおすすめです。

営業時間もチェックしておく

空港にある保険会社のカウンターや自動販売機の場所を把握していても、 時間帯によってはそれらを利用できない場合があります。

たとえば、保険会社によっては次のような営業時間があります。

  • カウンター:7時00分~21時30分
  • 自動販売機:6時00分~22時00分

このように、多くの空港でカウンターや自動販売機の営業時間が設定されているので、 深夜に出発する飛行機に乗る予定の人の場合、時間帯によっては海外旅行保険に加入できないかもしれません。 確実に備えを用意して海外旅行に出発するためにも、 自宅を出る前に加入手続きを済ませたほうがよいでしょう。

まとめ

ここでは、空港で海外旅行保険に加入する方法やメリットデメリット、 加入する際の注意点について説明しました。

一定数の人は空港で海外旅行保険に加入しているようですが、 保険料や補償内容、保険期間といった面でデメリットが大きくなるので、 なるべく自宅を出発する前に手続きを済ませるのがおすすめです。 ここで説明した内容を参考にして、余裕を持って海外旅行に出かけましょう。

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監修者プロフィール

宮里 恵
(M・Mプランニング)

保育士、営業事務の仕事を経てファイナンシャルプランナーへ転身。
それから13年間、独身・子育て世代・定年後と、幅広い層から相談をいただいています。特に、主婦FPとして「等身大の目線でのアドバイス」が好評です。
個別相談を主に、マネーセミナーも定期的に行っている他、お金の専門家としてテレビ取材なども受けています。人生100年時代の今、将来のための自助努力、今からできることを一緒に考えていきましょう。

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