海外旅行保険とは、海外旅行をしている最中に生じる病気やケガ、 所持品などへの損害により発生した経済的負担を補う保険のことをいいます。

日本の旅行とは違い、 海外旅行中にトラブルが発生すると想像以上に損害額が大きくなるケースがあるため注意が必要です。 大人だけの旅行でも何らかのトラブルが起こるリスクがありますが、 子供と一緒に海外に行く場合や、子供だけで海外旅行に行く場合、 トラブルに備えておく重要性はより高くなるでしょう。

しかし、中には「子供は海外旅行保険に加入したほうがよいのか分からない」という人もいるようです。 安心して家族で海外旅行ができるよう、ここでは、子供が海外旅行保険に加入するメリットや具体的な補償内容、 海外旅行保険への加入方法などについて詳しく説明します。

海外旅行保険の補償内容

まずは海外旅行保険に加入するとどのような補償が受けられるのか見ていきましょう。 代表的な補償として、以下の4つがあります。

現地でケガをしたり病気になったときの補償

海外旅行保険に加入していると、 現地でケガや病気を患ったときに救急搬送にかかる費用や治療費といった経済的な損失を補填してもらえます。

海外では日本の健康保険が利用できないので、 受診する医療機関や治療内容によっては自己負担額が高額になる危険性があります。 海外旅行保険でそれらの費用を補えるようにしておけば、 旅行中に体調を崩したとしても安心して治療に専念できるでしょう。

お店の物や他人の物を壊したときの補償

保険は病気やケガに備える目的が強いと思われがちですが、海外旅行保険の場合、 お店の物や他人の物を壊したときなどに発生する損害賠償責任に対して補償してもらうこともできます。

子供と一緒に海外旅行をしていると、 思わぬ行動によって大きな損害を与えてしまうリスクが高まります。 場合によっては自分自身の試算では賠償しきれないケースもあるため、 海外旅行保険に加入しておいたほうが安心して海外旅行を満喫できるでしょう。

盗難に遭ったときの補償

海外旅行保険に加入していれば、 バッグや財布といった所持品が盗難に遭ったときにも、損害を補償してもらうことができます。 子供と一緒に海外旅行をしていると、それだけ荷物が増えてしまいます。 荷物の管理方法によっては盗難に遭って大きな損害を受けるケースもあるため、 海外旅行保険に加入する必要性は高いといえるでしょう。

ただし、加入する保険によって補償額の計算方法が違ったり、 補償額に限度が設けられているため注意が必要。 盗難された物によっては補償の対象外とされるケースもあるため、 事前に補償に関する取り決めを確認しておくことが大切です。

交通トラブルに遭ったときの補償

海外旅行では飛行機などの交通機関を利用することが考えられますが、 場合によっては交通トラブルによってスムーズな移動が妨げられてしまうかもしれません。

海外旅行保険に加入していれば、交通機関の遅延などによるトラブルが生じた場合に、 宿泊施設の客室料や食事代、新たにかかった交通費といった費用を補償してもらうことが可能。 子供と一緒に海外旅行をしていると、交通トラブルが発生することによる損失が大きくなりがちなので、 海外旅行保険で備えておく重要性は高いといえるでしょう。

子供が海外旅行保険に加入するメリット

それでは、子供が海外旅行に行く際には海外旅行保険に加入したほうが良いのでしょうか。

先ほど説明したように、海外の医療機関では日本の健康保険が適用されないので、 想像以上に自己負担額が高くなる場合があります。 海外旅行保険に加入していると、そのような経済的な損失を最小限に抑えることが可能です。

子供の場合、長距離移動や気候の変化によって体調を崩しやすくなるというリスクが考えられます。 また、他人にケガをさせてしまったり、店舗の商品や展示物を壊してしまうケースも考えられます。 海外旅行保険によって、そのようなリスクに備えつつ旅行を楽しめるようになるため、 加入するメリットは大きいと言えるでしょう。

子供が海外旅行に行くときに保険に入る人の割合

実際に、子供が海外にいくときに海外旅行保険に加入する人はどれくらいいるのでしょうか。

2020年12月におこなった編集部の独自調査によると、子供が海外旅行をしたことのある親のうち、 82.9%は「海外旅行保険に加入した」と回答したことが分かっています。 残りの17.1%は「海外旅行保険に加入しなかった」と回答していますが、 大多数のケースで子供は海外旅行保険に加入しているようです。

加入する人の声

アンケートで「子供の海外旅行保険に加入した」と回答した人の意見を聴いてみると、 「海外で事故や病気で病院にかかった時に莫大な治療費が必要となるから」や「子供は体調を崩しやすく通院の可能性があるから」、 「子供の方が、ケガや賠償責任などが発生しやすいと感じたから」といった理由で海外旅行保険に加入していることが分かりました。

加入していない人の声

一方、アンケートで「子供の海外旅行保険に加入しなかった」と回答した人の意見を聴いてみると、 「短期間の海外旅行だったから」や「子供の海外旅行保険があるのを知らなかったので、加入しなかった」、 「まだ赤ちゃんだったので、危険が少ないと思ったから」といった理由で海外旅行保険への加入を見送ったことが分かりました。

確かに、旅行期間が短かったり、他者に損害を与える心配が少ない年齢の子供であれば、 海外旅行保険に加入する必要性は低いかもしれません。 しかし、短期間の旅行であっても病気やケガを患ったり、所持品が盗難に遭ったりなど、 さまざまなリスクはあるため、必ずしも海外旅行保険に加入する必要がないわけではありません。

海外旅行では、日本の旅行では起こりにくいトラブルが生じるケースもあることから、 安心して海外旅行をするためにも、備えを充実させておく必要性は高いでしょう。

海外旅行保険の加入の仕方

次に、海外旅行保険の加入の仕方について説明します。 海外旅行保険の加入の仕方としては、以下の5つが挙げられます。

どの方法を選んでも海外旅行保険に加入することはできますが、加入方法によっては補償内容が変わったり、 保険料の負担が大きくなってしまったりする危険性があるので注意が必要です。 以下では、海外旅行保険の加入方法ごとの特徴について詳しく説明します。

保険代理店で保険に加入する

保険代理店で海外旅行保険に加入する方法は、多くの人がイメージしやすい方法かもしれません。 生命保険などで利用している保険代理店があれば、馴染みのある担当者と直接話をしながら海外旅行保険を選べるので、 適切な保険を用意しやすいのがメリットです。

また、保険会社によってはファミリープランやセットプランを用意している場合があります。 家族旅行の際には、まとめて加入することによって、 個人で海外旅行保険に加入するよりも保険料を抑えられるケースがあるので、 保険会社がどのようなプランを用意しているのかを確認しておきましょう。

旅行代理店で保険に加入する

ツアーや宿泊施設の予約がメインだと思われがちな旅行代理店ですが、 旅行代理店でも海外旅行保険に加入することができます。

旅行代理店で海外旅行保険に加入すると、 海外旅行の申し込みと一緒に海外旅行保険の加入手続きをすることが可能。 ほかの保険会社で海外旅行保険に申し込む必要がないので、 手間を抑えて海外旅行中のトラブルに備えることができます。

ただし、旅行代理店で用意している海外旅行保険の種類によっては、 保険料が割高になる場合があるので注意が必要。 また、すべての旅行代理店が海外旅行保険を取り扱っているわけではないということも知っておきましょう。

クレジットカード付帯の海外旅行保険で加入する

多くのクレジットカードには海外旅行保険が自動的に付帯されているため、 すでに海外旅行保険に加入している人もいるかもしれません。 わざわざ保険代理店や旅行代理店で加入手続きをしなくてもよいため、 海外旅行の準備をスムーズに進めることができるでしょう。

ただし、クレジットカードに付いている海外旅行保険では補償が不十分なケースがあるため注意が必要です。 クレジットカードの名義人だけが補償の対象になっている場合もあるため、 事前に補償内容と補償範囲を確認し、必要に応じて追加で海外旅行保険に加入しましょう。

空港で加入する

海外旅行に行く場合、海外旅行保険以外にもさまざまな準備が必要になります。 そのため、人によっては「海外旅行保険に加入するのを忘れていた」という事態が起こるかもしれません。

そのような場合、出発直前に空港で海外旅行保険に加入すれば、 出発後のトラブルに備えることが可能です。 ただし、空港で海外旅行保険に加入すると保険料が高くなりやすかったり、 自宅から空港までに起こるトラブルは補償してもらえなかったりするので、 注意が必要。なるべく余裕を持って海外旅行保険に加入しておくよう意識しておきましょう。

インターネットで加入する

最近は、インターネットを利用することで、 時間や場所を選ばずに海外旅行保険に加入できるようになっています。

インターネットで海外旅行保険に申し込む方法を選べば、 わざわざ保険会社や旅行代理店に足を運ばなくてもよいので、 海外旅行の準備にかかる手間を抑えやすくなります。 場合によっては対面で海外旅行保険に加入するよりも保険料が安くなるため、 経済的な負担を抑えながら旅行中のトラブルに備えることも可能です。

子供の海外旅行保険に関するよくある疑問

最後に、子供の海外旅行保険に関する、よくある疑問について解説していきます。

海外旅行保険は子供だけでも加入できる?

高校生や未成年の学生が単身で海外旅行に行く場合もありますが、 未成年者だけで海外旅行保険を契約することはできません。 その場合は、親が契約者になり、被保険者を子供にする必要があります。

海外旅行保険を選ぶ際は、フリープランとして補償内容を細かく選べるものもありますが、 あらかじめ大まかな補償内容が決められたセットプランを利用するのがおすすめです。 同様の補償内容にする場合、セットプランとフリープランでは保険料に大きな違いがなかったり、 場合によってはフリープランよりも保険料を安く抑えられるケースもあるため、 手続きの手間も考えるとセットプランを利用するのがよいでしょう。

また、子供が海外旅行保険に加入する際は、 子供だけでは適切な補償内容を選べないかもしれないので注意が必要です。 保険料や補償内容を親が一緒になって選んであげると、 安心して海外旅行を満喫できるでしょう。

留学やワーキングホリデーなど長期滞在では加入できる?

一般的な海外旅行とは違い、留学やワーキングホリデーで長期滞在する場合は、 食生活や文化の違いといった環境の変化によって思わぬトラブルが発生する危険性があります。 ある程度のトラブルは海外旅行保険でまかなえるかもしれませんが、 留学やワーキングホリデー中には海外旅行保険で対応しきれないトラブルが起こるかもしれないので、 備えたいリスクをカバーできているか確認しておくことが大切です。

保険会社によっては、留学保険やワーキングホリデー保険を取り扱っているところもあります。 保険料や補償内容といった条件を海外旅行保険と比較しながら、 適切な備えを用意できるようにしておきましょう。

まとめ

ここでは、海外旅行保険の概要や子供が海外旅行保険に加入するメリット、 海外旅行保険の補償内容や加入方法などについて説明しました。

海外旅行に備えて適切な備えを用意するためには、海外旅行中にどのようなリスクが生じるか、 どのようなリスクに備えたいかを明確にしておくことが大切です。 ここで説明した内容を参考にして、 安心して海外旅行を楽しめるような備えができるようにしておきましょう。

保険コンパスなら、何度でも相談無料です

監修者プロフィール

宮里 恵
(M・Mプランニング)

保育士、営業事務の仕事を経てファイナンシャルプランナーへ転身。
それから13年間、独身・子育て世代・定年後と、幅広い層から相談をいただいています。特に、主婦FPとして「等身大の目線でのアドバイス」が好評です。
個別相談を主に、マネーセミナーも定期的に行っている他、お金の専門家としてテレビ取材なども受けています。人生100年時代の今、将来のための自助努力、今からできることを一緒に考えていきましょう。

≫この監修者の他の記事はこちら